新井貴浩監督就任後、初となった2022年ドラフト会議。カープは育成契約を含む全10選手を指名した。支配下指名7名のうち4名が投手、そのうち3名は社会人と、課題と言われた投手陣の整備とともに野手の育成にも注力する方針が垣間見える指名となった。

 新たな戦力として期待される選手たち。ここでは、カープがドラフト2位で指名した高校生内野手・内田湘大の強みと特徴を、アマチュア野球に詳しい安倍昌彦氏が語る。

運動能力が高い、将来の4番候補!

利根商業高・内田湘大

【利根商業高・内野手】
内田湘大(うちだ・しょうだい)

2004年9月22日生(18歳)/右投右打/183cm・89kg

  私の中の評価では、高校生打者の中では浅野翔吾選手(2022年、巨人ドラフト1位)に次ぐ良い選手なのではないかと思っています。

 彼は投手、野手どちらもこなせる選手ですが、打者をさせると見事に打者をやりきりますし、投手としてマウンドに上がれば、見事に投手をやりきる、そういう選手です。高校野球でよく見る、『肩が強いから』といって4番の外野手が投手を兼ねるようなものでは決してなく、「そもそも投手だったのでは」と感じるほどに、非常に良いフォームで投げることができています。

 彼の魅力を一言で言うなら、打たせても、投げさせても、走らせても形が良いのが特徴の〝総合的な運動能力が非常に高い選手〟です。野球以外のスポーツ、例えばラグビーなどをしていたとしても、日本代表クラスになっていたのではないでしょうか。そんな印象すら抱かせる敏捷性、柔軟性、馬力、強さ。そうしたものをすべて持ち合わせた、素晴らしいセンスのある選手だと思います。ドラフト会議でカープは彼を内野手として指名しましたが、おそらく三塁で使えると見通しがついたからこそ、内野手として指名したのでしょう。

 鈴木誠也選手(現:シカゴ・カブス)の名前を軽々しく出してはいけないとは思いますが、高校時代の鈴木選手と比較しても、違う部分は足の速さくらいなものです。将来的に、4番・三塁を期待した上での指名だったのではないかと思います。

広島アスリートマガジン12月号は、『恩師と選手が語る新指揮官の魅力』を特集。 新井貴浩監督の話をしよう。月刊誌でしか見ることのできないビジュアルも満載です!