新井貴浩監督就任後、初となった2022年ドラフト会議。カープは育成契約を含む全10選手を指名した。支配下指名7名のうち4名が投手、そのうち3名は社会人と、課題と言われた投手陣の整備とともに野手の育成にも注力する方針が垣間見える指名となった。

 新たな戦力として期待される選手たち。ここでは、カープがドラフト3位で指名し、即戦力投手としても期待のかかる益田武尚の強みと特徴を、アマチュア野球に詳しい安倍昌彦氏が語る。

鋭い〝牙〟を秘めた中継ぎ向きの投手

東京ガス・益田武尚

【東京ガス・投手】
益田武尚(ますだ・たけひさ)

1998年10月6日生(24歳)/右投右打/174cm・84kg

 彼は1年目の都市対抗1回戦で素晴らしい投球を見せた投手ですが、脇腹を痛めてしまい、そこから半年程度、投げることができていませんでした。

 体の回転の鋭い、運動量の豊富な投手ほど痛めてしまいがちな箇所ではありますが、裏を返せば、それだけ体を使って投げているということでもあります。腕の振りと体の回転が猛烈な投手なので、それが彼の長所でもありますが、双刃の刃でもあるわけです。そういった特徴のある投手だけに、おそらくカープとしても、先発よりも、リリーフとしての役割を期待して指名したのではないでしょうか。

 投手のタイプとしては、持ち球の球種があまり多くない投手でもあります。ストレート、スプリット、ツーシームを持っていますが、変化球主体のタイプではありませんので、長いイニングを投げさせるというよりも、1イニングで流れを変えるような投球に期待をしたいところです。

 また、性格的な部分でも、先発のようにローテーションに組み込まれて、週に一度登板するよりも、毎日投げたいタイプなのではないかと思います。爽やかで優しそうな見た目の選手ですが、内に秘めた〝牙〟のようなものを持っている投手だと思いますから、性格もプロ向きで、中継ぎとして即戦力として活躍が期待されます。

広島アスリートマガジン12月号は、『恩師と選手が語る新指揮官の魅力』を大特集。 新井貴浩監督の話をしよう。月刊誌でしか見ることのできないビジュアルも満載です!