WEリーグ元年の昨季、セレクションに合格し、サンフレッチェ広島レジーナ加入を決めたのは4選手。そのうちの1人、塩田満彩には一度“サッカーを辞めよう”と考えた過去があるという。

 プロでさらなる飛躍を目指す塩田の素顔に迫る。

プロ2年目の今シーズン、DFとして初の開幕スタメンを果たした塩田満彩。

◆一度は諦めたサッカー選手への道。監督の勧めでセレクションを受験

─今季はリーグ開幕戦からスタメン出場が続きました。手応えはいかがですか?

「自分の中では課題が多く見つかった期間でもありました。苦手としている1対1の守備やヘディングに関しても、得意としているロングボールに関しても、質や精度はまだまだだなと感じているので、これからさらに磨いていきたいと考えています」

─塩田選手はもともとはMF登録ですが、今シーズンはDFとしてプレーされています。それぞれの難しさや魅力は何だと思いますか?

「自分は大学までボランチでプレーしていました。ボランチは自分の周囲360度を自由に使えるポジションですし、ゲームをつくることができ、攻守どちらにも関わっていけるところが魅力です。DFというポジションは、『空間の感じ方』がこれまでとは違うと思っています。例えば右SBでプレーをしていると、単純に右半分のスペースがなくなってしまったような感覚があるんです。これまで360度あったスペースが、180度しかなくなったという感じですね。ボランチをしていた頃はピッチ中央からゲームを見ていましたが、サイドから見るのとでは感じ方も違います。ただ、DFでも攻撃にしっかりと関わっていける点はすごく魅力的ですし、私のストロングであるロングボールを活かせるのもDFというポジションの魅力だと思っています」

─徳山大からセレクションを経てレジーナに加入されました。セレクションを受けようと思った一番の理由は?

「実は……本当は大学でサッカーを辞める予定で、先生になるために教員免許も取得していました。小学生の頃は卒業アルバムに『なでしこジャパンに入る』と書いたこともありましたが、高校、大学で自分のレベルがある程度わかるようになると、『厳しいのかな』と感じるようにもなっていました。ただ、大学の監督から『書類審査に応募するだけでもしてみないか』と言われたのをきっかけに、チームメートと一緒に書類を提出したんです。その頃、レジーナに加入する選手が何名か発表されていて、そんな人たちとサッカーができたら夢みたいだなという思いもありました。勧められて受けたセレクションでしたが、今、こうしてプロの世界でサッカーができているのは本当に幸せだと思っています」

─試合後に披露される『レジーナダンス』でも最前列で活躍されていますが、もともとダンスが得意なのでしょうか?

「特に経験があるわけでもないですし、すごく得意というわけでもないんですけど、ダンスが好きなんです。あと、でしゃばりなのかもしれません……(笑)」

─ファン感謝祭でも、綱引きでアンカー役として活躍されていました。

「はい! ガチ勢なんで(笑)。ああいうところで盛り上げるのも、もともと好きなんだと思います」

─さまざまな表情を見せてくださる塩田選手ですが、『実はこんな特技もある』というエピソードはありますか?

「うーん……あ! 『嵐』の曲のイントロクイズなら、レジーナで1番早い自信があります! すごく好きなので、イントロを当てるなら誰よりも早いと思います!」

─では最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「ここまで個人として得点に関わることができていないので、今季はアシストやゴールなど、結果に見える形でチームを勝たせることができる選手になっていきたいと思います。応援よろしくお願いします!」

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