◆元・オリックス、吉田正尚選手がGS賞を受賞

 『国境なき子どもたち』というNPOを通じて開発途上国の子どもたちを支援している吉田正尚選手(今季までオリックス・バファローズ)が、この度『ゴールデンスピリット賞』を受賞しました。ゴールデンスピリット賞は報知新聞社主催、日本野球機構後援の表彰で、毎年1名(2018年のみ複数名)、社会貢献活動の優秀者が日本のプロ野球界から選出されます。受賞者にはゴールデントロフィーと100万円の阿部雄二賞が贈られ、受賞者の支援する団体にも報知新聞社より200万円が寄付されます。

 この表彰は1999年から始まり、初年度はいじめ防止キャンペーンに尽力した元巨人の松井秀喜さんが受賞。それ以降も、盗塁数に応じて全国の施設・病院に車椅子を寄贈した元阪神の赤星憲広さん、投球数ごとにワクチンを寄贈するソフトバンクの和田毅投手、近年では筋ジストロフィー患者や児童養護施設への応援基金を設立した元阪神監督の矢野燿大さんなど、さまざまな形で社会に貢献した野球人が表彰されてきました。NPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)で関わっている選手では、1型糖尿病患者の支援や研究基金への寄付を行ってきた元阪神の岩田稔さんが2017年に受賞しています。

 2022年は吉田選手が選出され、BLFでサポートする選手では岩田さんに続いて二人目の受賞となりました。選考委員の方々によると、最近は慈善活動に熱心な選手が増えており、今回はかなり意見が割れたそうですが、最終的な決め手となったのは、吉田選手が国境を越えて国際的な支援をしていること、そして、オンラインの仕組みを活用してファンにも寄付を呼びかける形で支援していることだったそうです。選手とファンが一体となって支援する仕組みは、BLFが特に力を入れてお手伝いしているところでもあるので、そこを評価していただいたことは私自身も大変光栄に感じました。

 受賞者挨拶の際、吉田選手は「入団した頃から社会貢献ができるようなプロ野球選手になりたいと思っていたが、最初の数年はケガなどもあってなかなか実現しなかった。今は支援先の子どもたちの映像や写真が競技のモチベーションにもなっている。これからもファンのみなさんにも参加してもらいながら支援活動を続けていきたい」とスピーチしました。