◆自分にとってこれは“終わりの鐘”
そして10月1日の引退試合ではチームメート、そしてファンから感謝してもしきれない程の声援をいただきました。
僕の応援歌は"始まりの鐘が鳴る"という歌詞で始まりますが、現役最後の打席で応援歌が流れた時は『自分にとってこれは終わりの鐘が鳴ったな』と感じていました。
最後の試合に駆けつけてくれたファンに本当に感謝している一方で、2014年以降由宇練習場に背番号26のユニホームを着て応援に着てくれたファンの方々に対しても、この場を借りてお礼を言いたいです。
そういう方々の姿はしっかりと自分の目に入っていましたし、二軍にいたとしても自分を応援してくれているファンを、改めて大切にしていかなければならないと感じました。
また僕が一軍にいない時期に、テレビを通してマツダスタジアムで自分のユニホームを着ているファンを見かけるのは、申し訳なさを感じる事もありました。
現役生活の晩年、ファンの方々に対して印象的だった事がもう1つあります。
それは2015年のとある試合が終わった後、私や東出輝裕、栗原健太など、カープの低迷期を支えた選手たちの応援歌を、応援団の方々が演奏してくれた事です。その映像を見て『ファンも自分が一軍に戻ってきて欲しいと思ってくれているのかも』と思い、改めて自分を奮い立たせる事ができました。みなさん本当にありがとうございました。
廣瀬 純/ひろせ じゅん
1979年3月29日生、大分県出身。2000年に法政大から逆指名ドラフト2位で、カープに入団。ルーキーイヤーから80試合に出場するなど、強打の外野手として活躍。その後低迷した時期を過ごしたが、2010年には強肩強打を武器に135試合に出場して、打率.300、ゴールデン・グラブ賞を受賞するなど低迷期のカープを支え2016年に現役を引退。現在はカープの二軍外野守備・走塁コーチとしてカープを支える。