2022年シーズン、クラブ初のドイツ人指揮官として就任したミヒャエル・スキッベ監督。着任1年目にしてリーグ3位、天皇杯準優勝、そしてルヴァン杯優勝という輝かしい結果を残した名将は、チームの成績や大胆な采配だけでなく、ユニークなマネジメント手腕でも注目を集めた。
「重要なのは、楽しむこと」そう語るスキッベ監督が、選手を、チームをより魅力的にしていくために大切にしている考え方とは何か。名指導者のマネジメント論に迫った。
◆新加入選手、若手、ベテラン……全員にチャンスがあると伝えたい。
ー昨シーズンは、満田誠選手、川村拓夢選手といった若い選手の台頭がありました。今シーズン、監督が特に期待している選手、注目したい選手がいれば教えてください。
「そうですね。まずは、マコ(満田)やタクム(川村)が、去年に引き続き成長をしてくれることが一番良いのですが(笑)。ただ、ここで一人の名前を挙げると、名前を挙げられた本人にとってプレッシャーになってしまいます。意識してしまうのは彼らにとっても良くないだろうと思いますし、サンフレッチェというのは育成に優れたクラブで、若い選手だけでなく、ベテランの選手もどんどん伸びていけるというスタンスのクラブです。私自身は、そういう若者たち、選手たち全員の成長を見守っていきたいと考えています。例えば新しく入ってきた中野(就斗)、(山﨑)タイチにしても、越道(草太)にしても、非常に良いプレーをしています。松本大弥のように、他のクラブから復帰してきた選手もまた、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれています。彼らの頑張りには非常に期待していますが、ここではあえて誰か一人の名前を出さず、全ての選手にチャンスがあるということを強調したいと思います」
ーサンフレッチェを応援するファン・サポーターにメッセージをお願いします。
「みなさんのサポートには、いつも非常に感謝しています。我々は、サポーター、ファミリーのみなさんに試合を楽しみにしてもらい、試合中は私たちを支えてもらい、試合が終われば満足して家に帰ってもらいたいと思っています。エキサイティングなサッカーをすることでみなさんの期待に応えていきたいと思っていますし、今シーズンもそうした魅力的なサッカーを目指すことを、みなさんに約束していきたいと思っています」