2022年シーズン、クラブ初のドイツ人指揮官として就任したミヒャエル・スキッベ監督。着任1年目にしてリーグ3位、天皇杯準優勝、そしてルヴァン杯優勝という輝かしい結果を残した名将は、チームの成績や大胆な采配だけでなく、ユニークなマネジメント手腕でも注目を集めた。
「重要なのは、楽しむこと」そう語るスキッベ監督が、選手を、チームをより魅力的にしていくために大切にしている考え方とは何か。名指導者のマネジメント論に迫った。
◆選手をポジティブに送り出すために、伝え方・話し方を大切にしている。
ー昨シーズンは、試合の前半で苦しんでいても、ハーフタイムを超えると調子が上がるという展開をよく目にしたように思います。監督がハーフタイムに選手に声をかける際、もっとも大切に、意識をされていることは何ですか?
「ハーフタイムの流れとしては、まずはコーチ陣で素早くミーティングをして、前半の何がうまくいっていなかったのか、後半どうするべきかのすり合わせを行います。その後、ミーティングの結果を選手たちに伝えるのですが、その時には、できなかったこと・うまくいかなかったことに関しては端的に話をするようにしています。そして、後半で何をどう変えていくのかを具体的に示した上で、選手たちがポジティブに捉えられるような話し方をすることを大切にしています。ミスやうまくいかなかったことを強調しすぎてネガティブにならないように、選手たちをポジティブに送り出せるようにと考えながらやっています」
ーチームのマネジメントに関してお伺いします。今シーズンは、チームへのマークもますます厳しくなってくると思いますが、昨シーズンと比べ、どのようなポイントが重要になると考えていますか?
「昨シーズン、我々は本当に素晴らしい成績を収めることができたと思います。ただ新しいシーズンは、今まで通りのことをしていても、昨年のような成功は勝手についてくるものではないと感じています。対戦相手も力をつけてくるなか、私たちも、もっと魅力的な良いサッカーをやろう、良いサッカーをやった上で、結果がついてくる。そのように考えたいと思っています」
第4回(最終回)につづく