4月8日に開幕するプロ野球独立リーグ、ルートインBCリーグ。ここでは編集部独自の、注目チームの監督へインタビューを行い、今季にかける想いに迫る。

 第2回目は、2023年シーズンから埼玉武蔵ヒートベアーズ監督に就任した西崎幸広新監督(元日本ハム・西武)。1980年〜1990年代のパ・リーグでは“トレンディエース”として一世を風靡した右腕だ。今回は、西崎新監督に埼玉を優勝へ導くため、今年にかける思いを聞いた。

2023年シーズンから、埼玉武蔵ヒートベアーズ監督に就任した西崎幸広新監督(元日本ハム・西武)

―ここまでチームを見ていかがでしょうか。

 「チームの半数が新入団選手であり、フレッシュでとても若いチームです。当然、NPBのレベルに比べたら足らないことだらけですが、面白い選手もたくさんいるなと思います」

―開幕に向けてチームの調整は順調でしょうか?

 「何を目指してシーズンインするかによって変わってくると思っています。それはBCリーグそのものの意義と言いますか、BCリーグはただ優勝を目指すだけではなく、NPBや次のステージを目指す場だと思います。その上でそれぞれが良い緊張感を持ってやれていると思います」

―シーズンを迎えるにあたり、期待したい選手は?

 「あえて言うなら全員ですかね。会見の時は投手では芦田丈飛、野手では町田隼乙の名前を出しましたが、チームの選手を見ていると、期待したいのは全員ですね」

―今季から監督に就任されましたが、投打それぞれどんなチームにしていきたいですか?

 「チームとしては10点取るチームをつくるというのは難しいと思うので、打線は取るべき時に1点をしっかり取れるチーム。投手陣に関しては最小失点でしっかりと試合をつくれるチームにしたいです」

―元NPBでも活躍され、西崎監督ご自身の経験からも、投手育成への期待は高まるかと思います。

 「先発4〜5人、リリーフは終盤3イニング、そのあたりをいかに安定させるかが肝ですので、今はそのためにどうすれば良いのか思案している最中です。投手コーチには由規(元ヤクルト)がいますから、現場はコーチに任せつつ試合では上手く起用できたら良いですね」

―記者会見時には「口を出さない」「動かない」監督が理想とおっしゃっていました。

 「それは今も変わらないです。そのためにコーチがたくさんいて、分業しているというのが私の考え方です。その時々で、監督が最後にサインを出す程度が良い形かなと思っています」

―開幕カードである茨城アストロプラネッツ戦は新監督同士の対戦となります。

 「伊藤悠一監督が異色の経歴で注目されるだろうとは思っています。ただ、伊藤監督も自分と同じスタンスで来るのではないかと思いますね。茨城は各コーチ陣がしっかりしていますし、作戦立案をするというより、全体のマネジメントをしていく役割なのではないでしょうか。そういう意味では、スタンスが似ている監督同士の試合だと思います」

―最後に埼玉武蔵ヒートベアーズのファンのみなさんへメッセージをお願いします。

 「今週末からの開幕に向けて選手含めチームとしてもしっかりと準備をし、埼玉らしい試合を見せられるよう取り組んでいます。ただ野球をやるのではなく、一球一球、ワンプレーワンプレーを全力で取り組み、ファンの方々に喜んでもらえる野球を目指しています。良い野球をお見せできるよう全力で戦いますので、是非球場でご声援のほどよろしくお願いします」

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 埼玉武蔵ヒートベアーズは4月8日にアウェーのTOKIWAスタジアム龍ケ崎にて茨城アストロプラネッツと対戦する。4月9日にはホームのレジデンシャルスタジアム大宮(さいたま市営大宮球場)で栃木ゴールデンブレーブスを迎え撃つ。当日はお笑い芸人のはなわが、「咲きほこれ埼玉」を生歌で披露し、試合を盛り上げる予定だ。地元選手の活躍を一目見に球場に足を運んでみてはいかがだろうか。