広島県の名門校・広陵高時代は甲子園に出場し、その後は社会人野球・大阪ガスでプレーしたカープの即戦力ルーキーである河野佳。キャンプでは一軍スタートとなり、オープン戦で好投し、開幕一軍入りを果たした。
ここでは、開幕から中継として一軍で奮闘を続ける、河野のインタビューをお送りする。
◆いろいろなことが経験できたキャンプ
─プロに入って初めての春季キャンプが終わりました。一軍切符を勝ち取って、日南、沖縄と一軍キャンプに帯同してみていかがでしたか?
「初めてのことばかりでしたが、プロの一軍選手と一緒に練習をさせていただき、メニュー的にはそんなにしんどくはなかったのですが、意外と疲れが溜まりました。いろいろなことが経験できた良いキャンプでした」
─カープの先輩たちと初めて対面して印象に残っている選手はいましたか?
「最初に大瀬良(大地)さんに食事に連れて行っていただいたのですが、すごく気を遣ってくださって『何か分からないことがあれば何でも聞いてね』と言ってくれました。森下(暢仁)さんや、森(翔平)さんにもいろいろお話を聞けていますし、優しい先輩たちばかりです」
─入団会見の際、目標の選手に黒田博樹さんの名前を挙げていました。日南キャンプ時、球団アドバイザーとして黒田さんがキャンプに来られた際、何かアドバイスなどはありましたか?
「変化球のことをお話ししました。あとは、打者の抑え方のパターンであったり、右打者、左打者をこういう抑え方をやっているという話をしました。それに対して黒田さんからは『もちろんそういう攻め方もあるし、こういうことができたらもっと簡単だし、幅が広がるよ』など教えていただきました」
─2月23日に沖縄キャンプで行われた楽天との練習試合に先発されました。そこでの手応えはいかがでしたか?
「まずはこれまで僕がやってきたことを出して、プロで投げていくために課題があるのであれば、変化が必要なんじゃないかと思っていました。ですのでまずは自分が持っているものを試していこうと思い投球しました」
◆指名の瞬間。うれしさと安堵、そして悔しさ……
─今回はルーキーインタビューということで、河野投手がドラフトで指名されるまでのお話を伺います。昨年10月のドラフトでは5位で指名されました。改めて当時の気持ちを聞かせてください。
「うれしい気持ち、ほっとした気持ちの反面、悔しい気持ちもありました」
─悔しさというのは、指名順位でしょうか?
「そうですね。やはり上位指名を目標に3年間社会人でやってきていましたからね。ですが、それが自分の現状の評価なんだと思ったので、しっかりと受け止めて決断しました」
─担当スカウトは鞘師智也さんです。どのタイミングでお話されたのでしょうか?
「指名挨拶のときですね。それ以外は視察も含めてお話はしていませんでした」
─河野投手をずっとご覧になっていた鞘師さんと初めてお会いして、会話の中で覚えている言葉などはありますか?
「いままでやってきたことをしっかりと評価していただいたので、いまのままと言いますか、『通用すると思うからまずは頑張って』と声をかけてくださいました」
─では新井貴浩監督と初めてお会いしたのはいつでしょうか?
「入団会見のとき初めてお会いしました」
─新井監督はどんな方でしたか?
「すごく優しくて、気にかけてくださる方でしたね」
─広島でも過ごされていた河野投手は新井監督の現役時代もご覧になっていたのでしょうか?
「そうですね、小さい頃からよくマツダスタジアムに行っていましたし、不思議な気持ちでした」
(後編へ続く)
◆河野 佳(かわの けい)
2001年8月23日生、兵庫県出身
175cm・82kg/右投右打/投手
広陵高ー大阪ガスー広島(2022年ドラフト5位)