気迫を込めた試合を決める最後の一球。マウンドに駆け寄る仲間たちと共に、歓喜の渦に巻き込まれたあの3シーズン。カープの守護神として、3年連続の胴上げ投手となった中﨑翔太はフル回転で戦い抜いた。今、若い選手が躍動するあのマウンドに再び立つことを誓い、チームにできること、経験者として伝えなければいけないことを語ってくれた。そこには悲壮感など全く感じさせない、前を向き続ける男の姿があった。

中崎選手の勇姿を、1日でも早く一軍のマウンドで見たい。

◆よし、行くぞ! という気持ちになりますね

─年齢を重ねて気づいた、体の変化などはありますか?

「そんなことはないですね。今は体がすごく動きますし、逆に年々体の質が上がってきたなということを感じます。夜更かしもしないですし、朝も辛くないし、体調はバッチリです」

─そんな新井監督新体制の下、春のキャンプはどんなテーマで臨まれましたか?

「毎年一緒なのですが、チームの力になるために、結果を残すために体調管理だとか体づくりを、オフから取り組んできました。リリーフですから、まずはいつ呼ばれてもいいように、体調面をしっかりコントロールしていくこと、そして瞬発的に十分な力を発揮するためのトレーニングなど、トレーナーさんと話しながら取り組みました。

─今年から鳴り物応援が復活して、ファンの大きな声援が届いていると思います。やはり、昨シーズンまでとは雰囲気が違いますか?

「今年シーズンのオープン戦で、マツダスタジアムで投げたときにすごく大きな声援をいただきました。選手としては、やはり大勢のファンの方からの声援をいただけるのはありがたいですし、気持ちが高ぶります。より一層身が引き締まるというか、気合が入るというか、よし、行くぞ! という気持ちになりますね」

─最後に今季の目標と意気込み、ファンのみなさんへのメッセージをお願いします。

 「今シーズンは一球でも1試合でもチームの力になれるような投球をしていきたいと思います。鳴り物応援や声を出しての応援が復活して、マツダスタジアムやそれ以外の球場にも、たくさんの方々に来ていただけると思います。声を出してたくさん応援していただいて、もっとカープの後押しをしてください。いつもありがとうございます!」

中﨑翔太(なかざき・しょうた)

1992年8月10日生、鹿児島県出身、30歳。日南学園高(2010年ドラフト6位)。入団4年目となる2014年に初セーブを挙げると、翌年から抑えとしてゲームを締める役割を託された。2016年からの3連覇では34、10、32セーブの成績を残し、3年連続の胴上げ投手となった。2019年からは満足のいくシーズンを送ることができてはいないが、地道に調整を重ね守護神の座に返り咲くことを誓う。マウンドに上がった時の気迫みなぎる表情は、闘志の表れ。今シーズンも重要な場面で、その右腕に頼ることになるだろう。

広島アスリートマガジン5月号は、「まだ見たい!もっと見たい!」勝利を知る経験者たちの魅力をお届け! カープ3連覇を支えた投打の主力たちの現在地に迫ります。