公式戦再開を目前に控え、選手は心身共にベストの状態に近づきつつある。

 プロ1年目の昨季、荒木隼人がACLでの活躍を足がかりにリーグ戦でもセンターバックの座を勝ち取った。空中戦に強く、昨年11月には日本A代表に初招集。サンフレッチェの堅守を支える不動のリベロが、4カ月越しの開幕ダッシュを後押しする。

 全体練習の再開から2週間も経たないうちにフルコートを使っての実戦練習を行うなど、サンフレッチェが7月4日の神戸戦に向け早いペースで再調整を続けている。6月13日にはガイナーレ鳥取、20日にはファジアーノ岡山FCと、それぞれトレーニングマッチを行い共に勝利。活動休止明け、ましてや新型コロナウイルスの感染に最大限注意しながらの調整だけに「まだ100%とはいえない」状態だというが、荒木個人としては一定の手応えも感じている。

「コンビネーションだったり意思統一という部分で、チーム全体で改善しなければいけない部分はたくさんあると思っています。ただ僕個人だけではなくチーム全体のコンディションも上がっている感触があります。リーグ戦再開時には期待されている以上のものを見せていきたいと思っています」

 昨季、チームの失点数は少ない方から数えて2位。今季はまだ公式戦2試合のみの消化とはいえ、無失点をキープしている。3バックを統率するディフェンスの要として、城福監督からの信頼も厚い。

「監督からは昨年に引き続き『声を出してプレーしろ』という指示を受けています。『喋るということは、その時点で準備ができている証拠だ。喋ってプレーすれば、もっと楽にプレーできるぞ』と。今はもっともっと声を出さないといけないと思っていますし、攻撃のところでもビルドアップの部分は意識しています。まだまだ課題は多いと思っています」