5月は主軸がそろって爆発。昨季までのような圧倒的な打撃力で、令和開幕月を駆け抜けていった。

 これほど大型連勝、大型連敗が目立つシーズンもそうはない。各種報道では『乱高下』『ジェットコースター』など、通常のペナントレースではなかなかお目にかかれない文字が乱れ飛んだ。

 なかでも強烈なインパクトを残したのが、新元号となった5月からの1カ月間だ。熊本の夜(4月17日)からの8連勝も開幕直後の姿を思えば驚きだったが、5月には球団記録にあと1勝と迫る11連勝を記録。02年の西武以来、17年ぶりとなる月間20勝を達成した。月間勝ち星(20勝)、月間貯金数(16)は、94年8月の18勝8敗を大幅に上回る球団新記録。悪いものをすべて平成に置いてきたかのような快進撃だった。

 その最大の立役者となったのが3番・バティスタ、5番・西川の二人である。序盤の不振を脱したドミニカンは24試合で打率3割5分、10本塁打、21打点をマークし、プロ野球記録に迫る月間7度の猛打賞を記録。西川も令和初日から安打を積み重ね、球団単独2位となる27試合連続安打を達成した。4番に座る鈴木誠也も多少の波はあったものの、高い水準で数字を残し続けた。打つだけではなく三振よりも四球を多く取る姿勢を見せ、足でもチームトップの盗塁数を刻んでいった。

 借金8から翌月に貯金10に乗せたのは、セ・リーグでは初の記録だ。絵に描いたようなV字回復に、リーグ4連覇も現実的なものとなっていった。事実、開幕から5カード連続で負け越しV率が0%だったはずが、わずか1カ月足らずでV率は100%になっていた。