6月25日の巨人戦で、先発した森翔平が2022年9月以来となる勝利を挙げた。2021年ドラフト2位で入団した森は、プロ1年目の昨シーズンは8試合に登板。1勝0敗・1H・防御率1.89の成績を収めている。

 ここでは、今季初先発でプロ2勝目をつかんだ左腕の、ルーキー時代のインタビューを再編集して掲載する。(初出は広島アスリートマガジン・2022年4月号)

初の春季キャンプでは一軍入り、同年の西武戦で3番手としてプロ初登板を果たした森翔平(写真は2022年の春季キャンプで撮影)

◆プロで結果を残していくため、キャンプで感じた課題と手応え

─2022年、初の春季キャンプは一軍帯同となりました。キャンプ期間中に見つかった課題と手応えを教えてください。

「一つは細かい制球力。また、一軍で投げていくためには、まだまだ球の強さが足りないと思っているので、それが今の課題だと感じています。ただ、シート打撃では、自分の球をしっかりと投げ切ることができれば、打者と対等に勝負できる手応えを感じました。まだまだ技術的にも足りない部分が多いと思っているので、周りの方のアドバイスも採り入れながら練習を積み、レベルアップしていきたいと思っています」

─先輩投手からアドバイスはありましたか?

「大瀬良さんや九里さんなど、先輩方と積極的にコミュニケーションをとることを心がけていました。質問や相談をすると、みなさん親身になって答えてくださったので、ありがたかったですし、勉強になりました。大瀬良さんには、制球を安定させるためのヒントをいただきましたし、九里さんにはストライクゾーンで勝負する必要性を教えていただきました」

─入団会見では〝勝てる投手になる〟ことを目標に掲げられました。森投手の考える『勝てる投手』とは?

「理想は任された試合を無失点に抑えることです。ただ、無失点にこだわり過ぎると上手くいかないと思っているので、先発であれば6回を3失点以内に抑える投球を目指したいです。また、僕は打たせてアウトを奪うタイプの投手だと思っているので、周りにも声をかけながら、野手に信頼される投手になっていきたいと思っています」

◆森下暢仁ら、同学年の選手から受ける刺激

─社会人を含め、これまでさまざまなチームを経験してきました。カープのチームの雰囲気はどうですか?

「若い選手が多いので、チームに活気があり、良い刺激を受けています。また、実績のある選手のみなさんも数多く助言をしてくださるので、僕たち下の世代からすると、すごく野球がやりやすい環境だと感じています」

─同学年の選手には森下暢仁投手らがいますが、森投手から見た森下投手はどんな投手ですか?

「同じ投手として〝違うな〟と感じる部分は多いですね。あと、出会ってまだ2カ月弱なので、暢仁のことを何でも知っているわけではないですが(笑) 、優しそうな顔立ちの割には、我が強そうだなという印象があります」

─プロとして大切にしたいこと、目標はありますか?

「プロ野球選手として結果を出していくうえで、ケガをしないことが大事だと思っています。大学、社会人以上に、プロの世界では体が資本になってくると思うので、今まで以上に体のケアを行い、自分の体の状況をしっかりと認識できるようにしたいです。そして、一軍に定着できるように、必死にくらいついていきたいですね。1試合でも多く一軍の試合に登板し、リーグ優勝、日本一に貢献できる投球ができるように頑張ります」

《プロフィール》
森翔平(もり・しょうへい)
1998年1月1日生、鳥取県出身/左投左打/投手
鳥取県立鳥取商ー関西大ー三菱重工Westー広島(2021年ドラフト2位)