『鉄板』と呼ばれるサンフレッチェの最終ライン。その一角を担う荒木隼人は、広島がリーグに誇る最強のCBだ。長身と強靭なフィジカルを武器に、2022年シーズンの自陣空中戦ランキングリーグ1位に輝いた。

 そんな荒木が語る、今、もっとも興味のあるものとは。 大学時代の意外なエピソードも登場する。

試合後、サポーターに挨拶をする荒木隼人。右はユースの後輩でもある東俊希。

◆荒木隼人、格闘家を目指す?!

ー移動や遠征の際、カバンの中に必ず入れているものはありますか?

「僕はものをすぐ無くしてしまうので、常にAirTag(エアタグ)を持ち歩いています。GPSがついていて、落としたり、置き忘れたりすると通知がきて、どこで無くしたかが分かるようなシステムです。財布や家の鍵、カードケースには常に入れておいて、無くさないように……というか、無くしてもすぐに分かるようにしています。

 大学時代、財布を自転車のカゴに入れっぱなしにしたままその場を離れてしまって、戻ってきたら無くなっていたことがあるんです。実はその時は、無くしたことさえしばらく気がついていなかったのですが。半年後ぐらいに、大学の近くでぼろぼろの状態で見つかったことを覚えていますね……」

ー料理、絵画、会計処理など多才な印象のある荒木選手ですが、これから新たにチャレンジしたいことはありますか?

「大学では簿記の講義を受けていたので、プロ1年目は会計処理を自分でやってみようと思ってチャレンジしました。今は専門家の方にお任せしていますが、ある程度はできましたね。今やってみたいことは、ボランティアや社会貢献につながるような活動です。ありがたいことに、サッカー選手という幸せな仕事をさせていただいているので、それを誰かに分け与えることができたらより良いかなと思っています。社会貢献や、人々のためになることをもっとしたいという気持ちは常にありますね」

ー時間ができたら何をして過ごしたいですか?また、今一番欲しいものがあれば教えてください。

「どちらかというとインドア派なので、時間があるならゆっくり過ごしたいですね。ゴルフぐらいはちょっと行こうかな、という感じですが、基本的にはぼんやりしていたいです。

 欲しいものとは少し違うのですが、もし何でもできるのであれば、一度で良いので格闘家として戦ってみたいなという思いがあります。元々格闘技は好きだったのですが、今すごく応援している格闘家の選手がいるんです。人間性も素晴らしい選手で、そういったところにも憧れて、僕も一度そういう大会に出てみたいなと思うようになりました。ちょっと怖いですけどね。

 試合中は相手チームの外国人FWと激しく接触するようなプレーも多いのですが、同じピッチでそれを見ているチームメートの森島(司)選手からは、よく『隼人くん、サッカーじゃなくて格闘技やってんの?』と言われます(笑)」