2001年ドラフト4巡目でカープに入団し、捕手として活躍した石原慶幸氏。25年ぶりの優勝、球団初のリーグ3連覇。記憶に新しい節目の瞬間には、正捕手・石原慶幸の姿があった。カープ一筋19年のプロ野球人生。悔しさも歓喜も知り尽くした名捕手の野球人生を、石原氏の言葉で振り返っていく(過去の掲載記事を再編集)。
◆入団直後にレベルの差を痛感
2001年秋にドラフト4巡目指名を受け、カープに入団させていただくことになりました。入団が決まり、まず最初にやったことは、広島がどんなところか調べることでした。
街のことはもちろん、カープのことも調べたのですが、知識を深めるにつれて不安な気持ちが大きくなっていったのを覚えています。『練習量が12球団で一番』という情報を目にするたびに、プロでやっていけるのかという不安は拭えませんでした。
入団会見を終えたあとは、一度、岐阜に帰り、自主トレに合わせてまた車で広島に戻りました。そのときは大きな車に荷物を詰め込んで、父親、母親、兄が同行してくれて大野寮まで荷物を運んでくれました。
プロ1年目の自主トレは、もう緊張しかありませんでした(苦笑)。練習ではテレビで見ていた方たちが目の前にいることに感動を覚えたりもしましたが、実際のプレーを見たら自信をなくしてしまいました。
キャンプ前の合同自主トレは大野練習場でやっていましたが、練習前のアップは広島市内の別グラウンドに行き、そこでひたすらランニングの毎日です。スパイクで走ったこともありましたし、すごくしんどかった記憶が残っています。