チームトップクラスの対人守備と、恵まれた身体能力。時に相手に立ち塞がる壁となり、時にそのスピードで相手を翻弄する。広島加入3シーズン目を迎えたDF・住吉ジェラニレショーンに、今シーズンの軌跡を振り返ってもらった。
◆新たな背番号で迎えた広島移籍3年目のシーズン
ー2021年7月に広島に完全移籍され、3年目のシーズンとなります。今シーズンは背番号も変わりましたが、心境の変化などはありましたか?
「背番号に関しては、正直、あまり心境の変化などはありませんでした。クラブから『2番はどうか』と言われたので、それでお願いします、という感じでした。国士舘大時代の背番号は3でしたし、広島の前に所属していた水戸では2をつけていましたが、そこまであまり意識はしていないですね。今シーズンは出場機会が増えてきていますが、日本のトップのリーグでも上位のチームと対戦するなかで、なかなかチームとしても勝てない試合が続いています。自分の良し悪しは自分でもわかっていますし、個人的にも、試合のなかで良い部分は出せていると思います。ただ、一方で改善点もあると感じています。まだまだ成長できるという思いはありますし、自分の強みも明確にできてきたのではないかと思っています」
ー住吉選手が思う、ご自身のストロングはどこでしょうか。
「自分は対人の強さが特徴だと思っています。1対1の場面であったり、球際の競り合いの部分であったり、そういったところのストロングは試合でも出すことができたのではないかと思っています。一方で、攻撃におけるビルドアップやポジショニングは、僕のなかでも改善点だと感じています」
ーチームは現在、苦しい戦いが続いています。相手チームからの対策が厳しくなるなど昨シーズンからの環境の変化もあると思いますが、住吉選手ご自身は、現状をどのように捉えていますか。
「チームとしては、直近で3連敗(6月11日・川崎戦●1ー0、24日・横浜FM戦●0ー1、7月1日・新潟戦●2ー0)しています(取材時の7月5日時点)。もちろん、ケガ人が出たり、メンバーが入れ替わっていたりという事情はありますが、そんな状況であっても、誰が出ても変わらない強さを出したいですし、僕自身もそういう選手になりたいと思っています。ただ、相手の個に対して、例えば、うまい選手に思ったようにプレスに行けなかったり、隙を突かれて点を取られてしまったりというシーンもあります。チャンスをなかなか得点に結びつけることができないところは改善点だと思いますし、その点は、選手全員が意識していると思います」
住吉ジェラニレショーン
1997年10月5日生 25歳/アメリカ合衆国出身
サンフレッチェでも随一の高い身体能力を持つDF。対人守備の強度はチームでもトップクラスで、スピードも武器の一つ。サッカーを始めた当初はFWとしてプレーしていたが、国士舘大時代にDFにコンバートされ才能が開花した。MF・柴﨑晃誠、DF・塩谷司、MF・柏好文は国士舘大の先輩にあたる。大学卒業後の2020年、水戸に加入。2021年7月に広島に完全移籍。