◆開幕一軍ならずも、現在は好調維持

 鈴木誠也の後を打つ5番打者として、そしてチームを支える精神的支柱としてもその活躍を期待されていた松山だったが、2020年の開幕に向けて調整を行なっていた5月下旬に予想外のつまづきが待っていた。コンディション不良による5月25日からの三軍調整。5月28日からの紅白戦を前にした一軍からの離脱は、再起を期す背番号55にとって大きな出遅れとなった。

 さらに追い討ちをかけるようにメヒア、堂林翔太などの5番打者候補などが打撃で猛アピールを続けるなど、状況は松山にとって不利な方向へと進んでいった。しかし、結果的に開幕一軍メンバーからは漏れたものの、6月中旬に二軍練習試合に復帰すると、その後も順調に調整を重ね、開幕日から7日遅れての6月26日に待望の一軍昇格を果たした。

  今季初出場となった6月27日の中日戦では第一打席で早速安打をマークすると、第二打席でタイムリーを記録。3点ビハインドのチームを勇気付ける反撃のタイムリーを放ち、存在感を見せつけた。

「とにかく中軸を任されたら得点圏で打つこと、それが第一ですね。具体的な目標としては100打点、そこを目指して打つだけだと思います」

 開幕延期が発表される前、2020年シーズンへの目標をそう語っていた松山竜平。得点圏で打つことのこだわりは中軸を任される者としての矜持の現れに他ならない。昨季味わった悔しさは、自らのバットで払拭してみせる。