◆若手と共に汗絵を流した2019年秋季キャンプ 

 佐々岡真司新監督の就任が発表となり、2020年に向けてスタートを切った2019年秋季キャンプ。そこには若手主体のメンバーに加わり白球を追う背番号55の姿があった。

「自分の中で秋季キャンプに行きたいという気持ちは早い段階から持っていました。そこで高さん(信二・一軍ヘッドコーチ)に誘っていただいたので、『もちろん、喜んで参加させてもらいます』とすぐに返答させてもらいました」
 
 一塁の守備力向上という明確なテーマを持って臨んだキャンプでは、精力的にノックを受け続け、充実した時間を過ごした。

「野球はみんなでやるスポーツですしね。練習も個人でやるより、みんなでやった方が単純に楽しいです。また若手に混じって練習すると、やっぱりまだまだ負けてられないなという思いも芽生えてきますね」

 チームでは石原慶幸、長野久義に継ぐ3番目の年齢となった松山。徐々に変化していく立場を自覚し、チームにおける自身の役割の変化、そして周囲からの視線も当然感じている。

「やっぱり若い子たちがものすごく自分のことを見てきますし、そういう立場なんだと思います。自分がしょうもないことをしていたらいけないと思いますし、自分のプレーや練習を見て少しでも何かを感じてもらえればと思っています」

 共にプレーし、多大なる影響を受けた新井貴浩を“理想のベテラン”と掲げる。「新井さんほど、口はうまくないですけどね(苦笑)」とおどけるが、秋季キャンプでは二軍の若手選手にアドバイスを送る姿も見受けられるなど、プロ生活の中で経験、そして培ってきた技術を未来の主軸候補たちに伝授することで、チーム力の底上げに少なからず寄与している。