コートの種類で戦術が変わる、ソフトテニス特有の面白さ

 ソフトテニスは、屋外、屋内両方で試合が開催されるのも特徴の一つです。コートにもいろいろな種類があり、人工クレーコートや人工芝、体育館内で開催されるインドアなど、大会でプレーするコートの種類に合わせて、僕たちの練習環境も変化させています。例えば、次に出場する大会で使用するコートが人工芝なら、練習も人工芝コートのある場所で行う……という感じですね。

 もちろん、コートのサーフェイス(表面)が変われば、選手のプレー面にも影響が出ます。人工芝に砂を混ぜたコートであれば、上からサーブを打った方がスピードが出ますし、ハードコートやインドアの場合はカットサーブが全然跳ねなくなるという特徴があるので、そういったコートの特徴に合わせた戦術の組み立ても必要になります。僕自身はどのコートでも比較的満遍なく対応できるタイプだと思っていますが、唯一、クレー(砂)コートは滑りやすいですし、砂で汚れてしまうのであまり得意ではないかも知れません(笑)。

 それぞれの選手によって得意とするコートの種類も違うので、コートの種類と選手の相性にも注目しながら試合を観戦すると、ソフトテニスをさらに楽しむことができるのではないかと思います。

 近年のソフトテニスは、陣形のバリエーションが増えてきているのも特徴です。相手やコートの種類に合わせて変化する陣形や、スピーディな試合展開も魅力の一つなのではないかと思います。前衛(主にコート上のネット付近で、ボレーやスマッシュを決めるプレーヤー)・後衛(主にコートのベースライン付近で、試合を組み立てるプレーヤー)に別れての駆け引きも面白いですし、ペアがふたりともネット側に上がってボレー合戦になる展開など、バリエーション豊富な陣形を駆使してプレーする選手たちの動きにもぜひ注目してもらいたいですね。技術的な面ももちろんですが、戦術的な面にも注目してもらえると、より「ソフトテニスって面白い」と感じていただけるのではないかと思います。

《プロフィール》

内本隆文 (うちもと・たかふみ)
1998年2月19日生、大阪府出身。ソフトテニスの名門・上宮中でプレーし、高校時代はインターハイで活躍。2016年、2019年には日本代表として国際大会への出場も果たした。早稲田大を経て、2020年からNTT西日本ソフトテニス部に所属している。ポジションは後衛。

【  NTT西日本ソフトテニス部  】
日本最高峰の大会であるソフトテニス日本リーグで12連覇を成し遂げ、2023年10月に開催されるアジア競技大会の日本代表5選手のうち4選手をチームから派遣するなど、国内屈指の実力を備えた強豪チーム。2023年シーズンからはサブネームを 『NTT西日本ブルーグランツ』 とし、更なる高みを目指し活動している。

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NTT西日本ソフトテニス部は、広島県のスポーツコミッション『スポーツアクティベーションひろしま』(通称:SAH)が展開する、広島横断型スポーツ応援プロジェクト・Team WISHに参加中! SAHでは広島県のスポーツを幅広く取り上げたWEBマガジンも公開。
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