プロ野球・広島東洋カープ、サッカーJ1・サンフレッチェ広島をはじめ、多数のスポーツチームが存在する広島県。広島アスリートマガジンの連載《HIROSHIMA SPORTS NAVI》では、スポーツ王国と呼ばれる広島で活躍するスポーツチームから、選手自らがナビゲーターとなりチームや競技の魅力を紹介する。

 今回は、広島を本拠地とするソフトテニスチーム『NTT西日本ソフトテニス部』から、主将・内本隆文選手が登場。第19回アジア競技大会(2023年9月23日〜10月8日、中国・杭州)日本代表として出場し団体金メダルに貢献した内本選手が、競技との出会い、チームの魅力を語ります!

NTT西日本でペアを組む内田理久選手(写真左)は、内本選手 の早稲田大時代の1学年後輩にあたる。

悔しさが飛躍の原動力に。初代表で金・銀メダルを獲得

 僕たちNTT西日本ソフトテニス部は、1957年にNTT西日本のシンボルスポーツチームとして創部しました。現在は陸上競技部、硬式野球部とともに、アマチュアスポーツ発展の促進を目指して活動しています。今回は、ソフトテニスという競技の魅力や、チームの特徴についてご紹介したいと思います。

 僕がソフトテニスを始めたのは、小学1年の頃です。両親がテニスをしており、兄もソフトテニスプレーヤーという、テニス一家に生まれました。その影響で、小さい頃から自然とラケットを握っていたようです。小学4年生のときに全国大会で初めて日本一になり、そこから5年生、6年生と連覇することができました。プレーが楽しかったことはもちろんですが、その頃から「ソフトテニスをずっとやっていくんだ」と考えるようになったと記憶しています。

 中学、高校は中高一貫のソフトテニスの強豪・上宮(うえのみや)に進み、高校時代にはインターハイで、個人・団体の2冠を達成することもできました。早稲田大に在籍していた2016年にはアジアソフトテニス選手権大会で初めて日本代表に選出され、シングルスで金メダル、ダブルスで銀メダルを獲得することができました。ソフトテニスを始めてからこれまでたくさんの試合を経験してきましたが、なかでも僕が忘れられないのは、2014年、高校2年のインターハイ個人戦です。僕たちのペアはベスト4まで勝ち残り、その時点では『優勝が狙える』という自信もあったのですが、勝ちたいという気持ちが強くなりすぎてしまったのか、僕が準決勝で崩れて3位に終わってしまいました。ペアを組んでいた選手にも申し訳なく、本当に悔しい経験だったのですが、実は、フラッシュバックするのは、そういう試合の方が多いのです。

 ただ、その経験があったからこそ、「来年は絶対にこのペアで優勝したい」と練習を積み重ね、高校3年のインターハイで優勝することができたと思っていますし、悔しい思いをしたからこそ、それをバネにレベルアップができたのではないかと感じています。