その形から『ダイヤモンド』とも呼ばれる野球のグラウンド。そこで戦う選手たちを支えるもう1人のメンバーとしてベンチ入りし、声援を送るのが各チームの『ダイヤモンドサポーター』たちだ。社員、マスコットキャラクターなどその選出方法は企業に委ねられている。今回は、社会人野球日本選手権初出場となるエイジェックのダイヤモンドサポーターを紹介する。

ダイヤモンドサポーターに就任した、エイジェック女子硬式野球部の辻野玲奈主将。

●初の全国大会出場となった第92回都市対抗野球大会では、あの“ナックル姫”がサポーターに!

 エイジェック男子硬式野球部が全国初出場を遂げたのは、2021年都市対抗野球大会。創部3年目という異例のスピード出場に沸いた初戦では、地元の栃木県からおよそ3,500人が応援に駆けつけた。

 この試合でチームマスコット(現在のダイヤモンドサポーター)に選出されたのは、女子野球の第一人者として活躍し、『魔球』ナックルボールを駆使する“ナックル姫”として一世を風靡した吉田えりだ。

 吉田は2009年、男子と同一チームでプレーする女子初のプロ野球選手として関西独立リーグでプレー。翌2010年にアメリカ独立リーグに移籍し、以降、国内独立リーグ、BCリーグでキャリアを重ねた。2018年、新設されたエイジェック女子野球部に投手兼コーチとして入団。エイジェック5年目となる今シーズンには再びアメリカ独立リーグへ参戦するなど、史上初の女子MLB選手の夢を追いかけ続ける姿は、今もなお女子野球界の先駆者と言えるだろう。

●悲願の日本選手権出場!ダイヤモンドサポーターには、リポビタン杯争奪プレミアヴィーナスリーグ3連覇の主将を選出

 創部2度目のWドームに出場するエイジェックのダイヤモンドサポーターに選出されたのは、2023年シーズンの『リポビタン杯争奪 プレミアヴィーナスリーグ』で3連覇を果たした、エイジェック女子硬式野球部の主将・辻野玲奈だ。今回のダイヤモンドサポーター就任を受け、実兄でHonda野球部主将の辻野雄大捕手とそろっての兄妹出場となる。

 辻野は2018年にエイジェックに入社、主にサードで出場し中軸としてチームをけん引している。今大会のダイヤモンドサポーター就任にあたり、「合同練習や試合を見る中で、試合に臨む姿勢や結果にこだわる意識など、男子硬式野球部からはいつも刺激を受けています」と日々の交流を振り返る。さらに入社6年目にして初の大役に「今回の予選には女子野球部として応援に行っていたので、この大役を務めることになって嬉しく思います。選手の皆さんの力になれるよう、チームの一員として後押ししたい」と意気込みを語った。

 エイジェックは大会4日目(11月11日)第2試合にJFE西日本と初戦を迎える。社会人野球日本選手権初戦を白星で飾り、新たな歴史を刻むことができるか注目だ。