11月8日から開幕した、第48回社会人野球日本選手権大会(以下、日本選手権)。都市対抗野球に並び、社会人野球の2大大会の一つとされる本大会に創部6年目にして初出場を決めた、エイジェック硬式野球部は、11日に強豪JFE西日本と初戦を迎える。

 本短期連載では初出場を果たしたエイジェック硬式野球部の選手独占インタビューをお届けする。第3回目は、今季の登録選手が全48選手となりJABAに登録される企業チームとしては最多登録人数となった硬式野球部をまとめる主将・京橋幸多郎選手に話を聞いた。

エイジェック硬式野球部 主将・京橋幸多郎選手

 ◆「次は僕が結果で恩返しする」

―今のチームの仕上がりは主将の立場から見ていかがですか?

「どんどん調子は上がってきています。都市対抗野球大会北関東予選(5月29日〜6月6日開催)で敗れてから『どうやって勝つのか』というミーティングをチームで重ねました。そういう取り組みを日本選手権予選まで続けることができたことが、勝ち抜けた要因だと思っています。個人的には予選を勝ち抜き、チームに少し緩みが出るのかなとも思っていたのですが、そのようなことはなく、オープン戦では緊張感を持ちチーム内競争もできていてとても良い状態だと思います」

―都市対抗の予選後に行ったミーティングでは具体的にどのような話をされたのでしょうか。

「まずは、チームの中で年上の選手が新人選手を引っ張っていこうということです。またその上で、今まで少し遠慮がちだったところもあったのですが、グラウンド内では上下関係なく、気になることがあればすぐに意見が出せる環境にしていこうとなど話しました。この環境をつくれたことは、チームにとって好循環を生み出せていると思います」

―京橋選手は48人体制となるチームで、“主将”に任命されました。伝えられたときはどのような思いでしたか?

「もともとこのチームでキャプテンをしたいという気持ちがありました。“こういうチームにしたい”という理想も自分の中であったので、お話をいただいたときは、『ぜひ』と二つ返事をしました。これまで高校、大学と主将を務めさせていただきましたが、社会人野球の主将は独特だと実感しています。学生時代は自分が最高学年で主将だったのですが、社会人では自身より年上の選手もいる中での立ち位置になります。その面も踏まえて、都市対抗後のミーティングが活きてきているのだと感じます」

―主将として導きたいチーム像を教えてください。

「当たり前ですが、“勝てるチーム”です。ただ技術的な進歩をするだけのチームでは“勝てるチーム”にはならないと思っています。どのチームも同じように練習を重ねていて、それだけでは他のチームに追いつくには時間がかかると感じています。エイジェックは、考えて取り組むことで1日の濃度を上げ強くなるチームになっていきたいです」

―今年1年を改めて振り返っていかがですか?

「シーズン序盤は、チームとして何をするのかが明確になっていなかったと感じています。その意識が統一できているチームと、できていないチームでは、大きな差が生まれると思います。意識が浸透していない状態で、チグハグな野球になっていたことは反省点でした。ただ、先ほども言ったように都市対抗予選やJABA大会、練習試合を重ねるごとに、選手それぞれが考えることで、状況に応じて、どう点を獲るのか、どう守るのかというのが明確になっていきました。忘れられない出来事としては、都市対抗予選で敗れた際に、エイジェックの古後(昌彦)代表から『やりきった結果か?』と聞かれて、僕たちはその問いに即答することができませんでした。自分自身もそれがすごく悔しくて、その思いをバネに僕もチームも上がっていくことができたと思います」

―改めて京橋選手がエイジェック硬式野球部に入部したきっかけを教えてください。

「僕が大学4年生の時にコロナ禍となり、春季リーグは中止、練習試合もなくなり、秋季リーグまで進路が決まらない状況でした。僕自身は社会人野球に進みたい気持ちが強く、リーグ戦終盤にたまたま僕がヒットを打った試合をエイジェックの方が見られていて声をかけていただきました。厳しい状況の中でも拾ってもらえたことに恩を感じていて、次は僕が結果でエイジェックに恩返しをしたいと思っています」

―入社した年に創部初となる、都市対抗野球大会に出場しました。

「東京ドームのあの景色は今でも忘れられません。でも、それと同時に悔しさも明確に覚えています。社会人1年目は僕個人としては何もできていないのに、チームに連れていってもらった都市対抗でした。今回の日本選手権では主力として、主将として全国の舞台で自分自身が満足できるような成績を残したいと思っています」

―日本選手権は京橋選手の地元である大阪開催となります。

「公式戦を大阪で行うのが本当に久しぶりなので単純にうれしいですね。両親は大事な試合は関東まで応援に来てくれるのですが、地元の友達や祖父母、小さい頃にお世話になった方々はなかなかそういうわけにいかないので、自分の成長した姿を見せられる良い機会だと思い、さらに気合いが入っています」

―初戦の相手である、JFE西日本にはどのような印象がありますか?

「投打のレベルがとても高く、活気のあるチームのイメージがあります。僕たちとしては相手がどうこうではなく、自分たちのやるべきことをいかに遂行できるか、守備でリズムをつくることができるかが、鍵になってくると思っています。自分たちらしい戦いができれば、チームの目標である“日本一”にも届くと思っています」

―最後に日本選手権に向けての意気込みをお願いします。

「チームは“日本一”を目指して試合に挑みます。当日球場で直接応援いただくみなさんも、球場には来られないけれどご声援を送ってくださるみなさんからの声援を力に変えて、チーム一丸となり、一戦一戦全力で戦っていきます。ご声援のほどよろしくお願いします」

 

●プロフィール
京橋幸多郎(きょうばし こうたろう)
1998年10月28日生まれ/大阪府出身/170cm・70kg/右投左打
星琳高→白鷗大