約4カ月という長い中断期間を経て再開したJ1リーグ公式戦で、サンフレッチェ広島が改めてポテンシャルの高さを見せつけた。

J1リーグ再開後初のホームゲームを戦うサンフレッチェ。城福監督による勝利のガッツポーズは繰り出されるのか!?

 得点力不足という課題を受け今季、チームがスローガンとして掲げたのが『積攻』の二文字だ。読んで字のごとく、積極的に攻める。その一つの戦略として城福浩監督のもと指宿での一次キャンプから取り組んできたのが、ショートカウンターからの効率的な得点だった。

「ビルドアップの部分だったり、アタッキングサードでのアドリブ。その二つがシーズンを通じて鍵になりますし、味方をも裏切るようなアドリブも大事になってきます。その上で今季、我々が目指しているのがショートカウンターです。相手を押し込んだとき全部シュートにいけるわけじゃない。どうしてもボールを奪われることがあるんです。ただボールを奪われたときに、すぐ奪い返してそこからショートカウンターで点を取るという、その部分を今季はとくに意識しています」

 キャンプ中に刷り込んだショートカウンターの意識は、今季初戦からすでにピッチ上で体現されている。ルヴァン杯初戦の2点目(森島司がボールを奪取。以下、奪取した選手名のみ)、リーグ第1節の鹿島戦の1点目(レアンドロ・ペレイラ)、3点目(東俊希)。そして第2節の神戸戦では、青山敏弘のボール奪取から3点目が生み出された。

 積極的な攻めでもあり、積極的な守備でもある『積攻』。決定力はもちろんのこと、城福監督がペレイラに植え付けた前線からの守備は、サンフレッチェの今季最大ともいえるストロングポイントになっている。