思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。

 今回は、カープ選手の “名前” ついて、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。

カープの中村トリオ/中村奨成・中村健人・中村貴浩(イラスト:オギリマサホ)

 2月も後半になると対外試合も増え、いよいよ開幕が近づいていることを感じさせる。そんな中、2月18日に沖縄で行われた阪神との練習試合で「それ」は起こった。

 6回表、カープは守備交代でレフトに中村奨成、センターに中村健人が入った。この試合では、既にスタメンでライトに中村貴浩が入っていたため、「外野手全員が中村」という事態が発生したのである。これにはファンもざわつき、翌日にはRCCラジオ「それ行け!Veryカープ!」でも、リスナーからのメールのテーマに「私の推しの中村、その理由」が採用されるほどであった(ちなみに投稿が多かったのは中村恭平であった)。

 チームにおける中村率から言えば、実は昨年の方が多かった。現役ドラフトで西武に移籍した中村祐太、戦力外となった育成の中村来生が在籍していたからである。計5人の中村があまり話題にならなかったのは、5人が一堂に会する機会が少なかったからかも知れない。

 こんなにたくさんの「中村」がいるということは、もともと日本に「中村」姓が多いのだろうか。サイト「名字由来net」によれば、日本の名字の中で最も多いのは「佐藤」とのことだ。次いで鈴木、高橋、田中……と続いて「中村」姓は8位である。確かに多い名字ではあるものの、支配下選手68名のうち3名が中村、という現在の状態は、明らかに中村率が高い(一方で、名字ランキング5位の伊藤や6位の渡辺は、過去の在籍を含めてもカープ選手には少ない気がする)。

 そもそも、「カープと名字」と言えば、梵や下水流、塹江や末包といった珍しい名字が多いというイメージが強かった。昨年のドラフトでも、1位に常廣、2位に高と、珍しい名字の選手が指名されたことでよりその印象が強くなったのであるが、一方では「中村だらけ、しかも外野に」という状況になっていたのだった。

 昨シーズンまで捕手登録であった中村奨成が、今シーズンから外野手登録となったことで、本格的に「外野手中村が3人」ということとなった。では実際に公式戦で今回のような「外野手全員中村」という事態が発生するかというと、なかなか難しい部分はあると思う。西川龍馬がオリックスに移籍したとはいえ、外野には秋山翔吾や野間峻祥といったレギュラー陣、現在めきめきと頭角を現している田村俊介など、外野の枠にはライバルが多くいるからだ。それでも、足の速い奨成、守備が上手い健人、打撃が魅力の貴浩と、3人の中村にはそれぞれの持ち味がある。そうした持ち味を存分に生かして、外野手争いに一人でも多くの中村が勝ち残れるよう、そして公式戦で「外野手全員中村」が見られる瞬間を、今から楽しみにしていたい。