新井カープ2年目を迎えた春季キャンプでは、若手投手らが連日ブルペンでアピールするなど、実戦に向けた競争が繰り広げられた。ここでは日南キャンプを視察したカープOBの大野豊氏が、今季注目の選手について独自の視点で解説する。(数字は2月7日時点、全3回・第1回)
◆新井カープ2年目が始動!春季キャンプの注目は……
あいにくの雨模様で始まったカープの日南キャンプでしたが、報道では新井貴浩監督も手応えを感じているとのことで、良いトレーニングができているのではないでしょうか。私はキャンプの序盤に視察に行き、主にブルペンでの投手陣の様子を見ることができました。
ルーキーでは、滝田一希や赤塚健利らがブルペン入りしていました。特に注目したのは、現役ドラフトで入団した内間拓馬や、オリックスから加入した日髙暖己、3年目の黒原拓未、そして昨年のドラフト1位・斉藤優汰です。斉藤は高卒2年目ではありますが、かなり体力もついてきて、球速も出るようになってきたようですから、キャンプでしっかりフォームを固めて、今年は一軍デビューを果たしてもらいたいものです。
森下暢仁、大瀬良大地、九里亜蓮、床田寛樹ら先発陣の中に、森翔平や黒原、斉藤らが割って入ってくるような状況になれば、投手陣の厚みもより一層増していくのではないでしょうか。昨シーズンはなかなか思うような成績が残せませんでしたが、玉村昇悟や遠藤淳志、新外国人のハーンとハッチにも注目したいと思います。
また、ブルペンで特に目を引いたのが益田武尚です。彼は昨シーズンとは投球フォームを変えたようですが、雰囲気や表情も良く、手応えを感じているように見えました。新しい投球フォームもしっかり自分のものにしていましたし、一番良い表情で投げていたのではないでしょうか。益田と同期入団の河野佳も同様に、非常に気持ちのこもった投球を披露していました。春季キャンプは自分の課題と向き合い、一皮むけるためのキャンプでもあります。昨シーズンより、さらに上を目指すという目標があるなかで、特に若い投手陣のチーム内の争いは、し烈なものになるでしょう。
(中編に続く)