スポーツの試合で選手や会場を盛り上げる要素の1つに「チアリーダー」たちの存在がある。昨年、ルートインBCリーグ南地区を制した埼玉武蔵ヒートベアーズでは、オフィシャルチアチーム『B girls』が同チームの活動を後押ししていた。

 ホームゲーム、年3回の自主イベントやダンスアカデミーの運営など活動は多岐に渡る。今回はそんな個性的なチアチームを束ねるディレクターの渡辺真子さんに話を伺った。

埼玉武蔵ヒートベアーズのオフィシャルチアチーム『B girls』のディレクターの渡辺真子さん

◆チアリーダーのキャリア推進に

―渡辺さんの経歴を聞かせてください。

「2021年のチーム結成よりディレクターをしています。元々はエイジェックが運営をしている栃木ゴールデンブレーブスのオフィシャルチアチーム『GOLD LUSH』に所属をしていたのですが、4年前に埼玉武蔵ヒートベアーズでチアチームをつくる際に転籍をしました。その後は2年間自分自身も『B girls』メンバーとして活動をしていました」

―B girlsはどんなチアチームなのでしょうか。

「コンセプトは『超ド級チア』です。既存の枠組みにとらわれることなく、活動をしていきたいという思いと、メンバーの個性を活かした活動をしていきたいという思いを込めています。また、チームチアスピリットを『Be スマイル』として日々の活動に臨んでいます。メンバーにはなりたい自分になれるよう、目標を持って活動をしてもらっています」

―メインの活動はやはり球場での出演でしょうか?

「一番機会が多いのは球場出演ですが、その他にも様々な活動を行っています。BCリーグの性質上、地域に寄り添った活動が多いため地域貢献活動も行いますし、自分たちのアカデミーの運営や、それぞれの個性を活かせるような主催イベントも行なっています」

―メンバーの個性を活かせるイベントというのは?

「年間で大きく3つのイベントを行います。まず3月ごろに毎年行うデビューイベントはファンのみなさんに新メンバーを知っていただく機会として開催をしていて、今年は埼玉県上尾市で3月31日に開催予定です。夏にはウォーターパフォーマンスを取り入れたサマーステージ、年末になると1年間の集大成として『The Show』というイベントを行います。『The Show』はメンバーそれぞれの特技を活かしたパフォーマンスと球場などで披露しているパフォーマンスを行うので、まさしくB girlsの1年間を思う存分楽しんでいただけるイベントになっています」

―多彩な活動を展開されているのですね。

「様々なところに困難なこともありますが、その分やりがいも非常に多いです。私自身は今、チームの運営ディレクションをしているエイジェックのチア事業の社員として勤めているので、チームの活動はもちろんですがチアリーダーのキャリア推進にもなればと思い日々業務を行っています」

―チア事業という言葉は聞き馴染みがないのですが、どのようなことを行っているのでしょうか。

 「柱として行なっている事業は4つです。1つ目はダンススクールの運営です。『Agekke Dance School』として運営をおこなっており、栃木県で9校、埼玉県で3校、東京都に3校の計15校を運営中です。ダンススクールでは、チアダンス以外にもヒップホップなど様々なジャンルに触れることができるのが魅力です。次にイベントの運営です。チームの主催イベントだけでなく、私たちは『Cheer Up Japan』というダンスイベントの企画運営を行っています。このイベントは2022年に初開催を迎えたのですが、コロナ禍でイベント出演機会を失ったダンサー向けに開催をしました。徐々に規制が緩和されている今は同年代のダンサーのパフォーマンスを見ることができる機会として2024年も規模を広げて行いたいと考えています。最後に応援サポートです。都市対抗野球大会や社会人野球日本選手権大会などで企業様の応援サポートをさせていただいています。野球以外にも昨年は女子バスケやソフトボールなどの競技の応援にも駆けつけました」

―本当に幅広い活動ですね。現在進んでいる事業も多くあるかと思いますが、2024年の目標をお聞かせください。

「チームとしては1人でも多くのファンのみなさんに、球場やイベントに足を運んでいただいた際に楽しんでいただくことです。今年は7人中1名を除いて全員が新しいメンバーなので、どんなチームになるのか今から楽しみですし、新しい魅力をしっかりとみなさんにお届けするのが目標の1つです。チア事業としては、昨年それぞれの取り組みが一段階大きくなった年でした。なので、今年はさらにステップアップをしなければならないと考えています」