ブルペン強化のため、7月6日に一軍昇格を果たした2年目の右腕・島内颯太郎。今季初登板となった7月9日のDeNA戦では、150キロを超える直球を中心に1回を投げて3三振・無失点に抑えた。
 カープ投手陣の成長株として期待される2年目右腕はどのような道のりを辿って、プロ野球の世界へとたどり着いたのか。プロ入りのきっかけとなった大学での経験、そして母校の先輩への思いなどを語ったルーキーインタビューを紹介する。
(『広島アスリートマガジン』2019年3月号掲載)

誤算が続くカープブルペン陣を救う存在として期待が高まる島内颯太郎投手。

カープに入団されて先輩選手たちと実際にお会いした印象はいかがでしたか?
「みんな体がでかいなと思いました。テレビで見ているのと、実際に見るのでは全然違いましたね。また良い先輩ばかりで、本当に良いチームに選んでいただいたんだなと思っています」

カープに入団してからは、どんな点を意識して練習に取り組まれていましたか?
「キャンプ初日からアピールすることができるように肩と肘をつくっていました。一つひとつのトレーニングが明確な目的を持って行われているので、毎日すごく良い刺激を受けています。たとえばウエート一つにしても、どの筋肉に負荷をかけているのか一つひとつ説明をしていただいているので、すごく勉強になります」

大野練習場での初のブルペンは緊張されましたか?
「周囲からの目線はそこまで気にならなかったので、あまり緊張はしませんでした。ただ、先輩方の投球を見たときは本当に驚きでした。特に大瀬良さんの投球を間近で見たときは、すごく参考になりました。自分はシュート回転してしまっている球がまだまだ多くて、『どうしたらそうならないんだろう』と思いながら大瀬良さんの投球を見ていたら、投球のタメが僕と全然違いました。一軍で結果を残す投手はやっぱりレベルが違うなと思わされました」

島内投手にとって、大瀬良投手はどんな存在ですか?
「自分からすれば神様みたいな存在でした。自分が高校生の頃にプロに入られたこともあって、九州共立大に行きたいという思いが芽生えましたし、自分にとって強い影響力がある人ですし、昔から憧れの存在です」

実際に大瀬良投手の大学時代の投球を見たことはありましたか?
「神宮球場で投げられている姿を映像で見ていました。当時から『エグいな。レベルが違うな』という印象でした。一つひとつの球の質が大学時代から抜群に飛び抜けていました」

憧れの存在である大瀬良投手がいるカープから指名が決まった瞬間はどのように思いましたか?
「大学の先輩がいるということで安心感もありましたし、良い球団ということは話に聞いていたので、率直にうれしかったです。大瀬良さんに聞きたいことがたくさんあったので、本当に良かったなと思いました」

今年入団したルーキーで大卒投手は島内投手一人ですし、同期入団には高卒の野手が多くいます。年齢の違いを感じる部分はありますか?
「4年前の自分、大学に入学した時の自分と同じ年ってことですよね。自分に置き換えて考えてみると、あの大学の4年間がなくてプロに入るのは本当にすごいことだと思います。大変な部分はあると思いますが、それだけみんな能力が高い選手なんだと思います。まだ成人式も迎えていない選手と同期というのは、なんだか不思議な感じですね(笑)」