昨季、新井カープ一期生のドラフト1位として入団した斉藤優汰。 速球を持ち味とする19歳は、大きな期待を受けて一軍キャンプを過ごした。ここでは、悪戦苦闘を繰り返しながら、日々成長を続ける長身右腕の独占インタビューをお送りする。(全2回/2回目)

プロ2年目を迎えた斉藤優汰投手

阪神打線、巨人打線を相手に 収穫と課題を得た

《1回目はこちら》

─キャンプで実戦に入り、阪神との練習試合では日本一のレギュラーメンバーが並ぶ打線が相手でした。実際に対戦してみた印象を聞かせてください。

 「やっぱりバットの振りがすごく鋭いなと感じました。特に中野(拓夢)さんは印象的でした。先頭打者の前川(右京)さんにセンター前ヒットを打たれた後に、追い込んで確かツーストライクまで持っていっていたと思いますが、そこから低めの少しボール気味のストレートをしっかり流して打たれたときは、『あ、そんな感じなのか』と、ちょっとびっくりというか、あれで持っていかれるんだなと感じました」

─初めてのオープン戦登板となった巨人戦(2月24日)では、初回から打ち込まれてしまった中で、2イニング目も続投することになりました。首脳陣からかけられた言葉や、自身の気持ちはどんなものでしたか?

「ピッチングコーチの菊地原さん(毅・一軍投手コーチ)からは、ベンチに戻ってきたときに『ちょっと力み過ぎかな』とか、『あまり際どいところを狙わなくていいよ』などと声をかけてもらいました。新井監督からは『もう1イニング投げるから』と言ってもらいました。ちょっとこのままでは自分の中でもうまく消化できないというか、終われないなという気持ちでした。ベンチに座っているときにちょうど通りかかった大地さんからは、『あんまり考えずに、ちょっとテンポ良く投げてみな』というアドバイスをもらいました。それで、2イニング目はボールを受け取ったらすぐにセットポジションに入って、すぐに投げることを心がけました」

─チームメートとの関係についてお聞きします。斉藤投手はドラフト1位で入団されましたが、2023年ドラフト1位の常廣羽也斗投手に対して『ライバルだけど良いところがあればどんどんアドバイスをもらいたい』とおっしゃっていました。何か直接お話しをされましたか?

「常廣さんとは結構いろいろな話をしていて、『どういうふうに投げているんですか?』と野球の話などもさせていただきました。気さくな方なので、躊躇なく僕からも聞けるような感じです」

─新たに移籍加入の日髙暖己投手は斉藤投手と同学年です。日髙投手は入団会見で『斉藤投手からインスタグラムでメッセージをもらった』とコメントしていました。どのような経緯、どんな思いでメッセージを送ろうと思われたのですか?

「日髙がカープに入ってくることをニュースで知って、『同級生が1人増えるね』と内田とLINEでやりとりをしていて。インスタグラムのストーリーに上げるのはさすがにまずいかと思って、『じゃ、二人で同じ文章をダイレクトメッセージ(DM)で送ろう』ということになりました。内田と二人で文章を考えて『これでいこう』となって、時間帯も同じタイミングでDMを送ったんです」

─実際に日髙投手とチームメートになってみていかがですか?

「そうですね。やっぱり同学年なので、先輩に聞くよりも気楽に話ができますし、野球以外のことでも話し合えたりいろいろできるので、仲は良いかなと思います。これから同学年の3人で切磋琢磨しながら、そろって一軍に上がることができたら良いなと思っています」

─キャンプ終了後、広島に戻ってからは二軍で調整中ですが、どのような意識で練習に取り組んでいますか?

「キャンプでやってきたことは特に変えずに継続しています。オープン戦などで投げさせてもらったことで、昨年とは少し違って、今年はボールの高さのズレではなく、ラインのズレがすごく大きいなと自分の中で感じていました。そのあたりを改善することを意識しながら取り組んでいます」

─プロ2年目のシーズンとなる今季は、初の一軍登板が期待されています。今季の目標を聞かせてください。

「まずは一軍初登板、初勝利することが目標です。初勝利することができたら、1勝と言わずに、できるだけ多くチームに貢献したいと思っています」

 

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