2024年6月に開催される、エディオンピースウイング広島初の国際試合。そこに日本代表GKとして選出されたのが、広島のゴールマウスを守る大迫敬介だ。今年から背番号『1』を背負う大迫が、自身初の手術、そしてそこから復活して迎えた今シーズンへの思いを語った。(収録は2024年4月。全3回/1回目)
◆出た課題を修正していけば、チーム状態も上がっていく
ー2023シーズン終了後の12月に、右手舟状骨(※しゅうじょうこつ=親指の付け根の部分)骨折の手術を受け、全治2カ月と発表されました。痛めたのは、いつだったのですか。
「2023年の10月頃です。痛みはありましたが、プレーできないほどではなかったので、シーズン終了まで続けていました」
ー手術を受けるのは初めてでしたか。
「生まれて初めてでした。医師に相談したら、手術をしなくても治る選手はいるとのことでしたが、そのまま続けて悪化するのが最も良くないという提示もあって。いずれにしても、完治させるなら手術を受けるのが確実と言われたので、シーズンオフに手術をすることになりました」
ーしばらくギプスをつけたのですか。
「そうです。利き手は左手なので、お風呂に入るときは少し苦労しましたが、日々の生活に困るほどではなかったですね」
ーそこから今季の開幕に向けて、どのように練習を積んできたのでしょうか。
「下半身のトレーニングをしたり、キャンプではフィールドプレーヤーに混ざって練習したりしましたが、開幕直前でもフルパワーのシュートは受けていなかったですし、試合で90分間プレーすることもありませんでした。開幕の浦和戦(2月23日・〇2|0)は、昨季までの試合の感覚をうまくイメージして臨みました」
ー今季の開幕戦はエディオンピースウイング広島(Eピース)での初めての公式戦でした。自分自身の右手の状態のこともあり、これまで経験したことがないような開幕戦になったのではないですか。
「いろいろな人の期待を感じていましたが、変に気負うことはなかったです。すごく楽しい開幕戦になりました」
ーそこからフル出場を続けています(5月9日時点)が、自分自身のプレー内容について、どのように捉えていますか。
「自分自身のパフォーマンスはもっと上がると思いますし、チームも勝ち切れない試合が多いので、勝ち点1を3にしていければ順位も上がっていくと考えています。まだ序盤なので、ここまでに出た課題を修正していけば、チーム状態も上がっていくはずです」
ーチームの課題は、どんなところにあると考えていますか。
「得点は取れているので、やはり必要なのは失点を減らすこと。味方に当たってコースが変わった失点もありましたが、フィールドプレーヤーもしっかり守ってくれているので、失点を減らすことで勝ち切れる試合を増やしていきたいです。常に無失点を目指していく上で、試合の進め方などはもっと改善していけると思います」