─ 今季は防御率がプロ入り最も良い数字が残りました。安定感の要因はどこにあると考えていますか?
「まず試合に入るまでの準備段階でこれまでよりもたくさん頭につめたり、考えたりする時間が多くなりました。また試合に入ってから『思っていたことと違うな』と感じることがあれば、試合の中で違うことを考えることができるようになりました。そういう自分の考えも試合の中でしっかり捕手と話し合いを重ねながら、より意思疎通しながら投げられていることが安定感につながっていると思います」

─ また被打率.215もリーグトップと安定感を物語る数字の1つでした。
「ランナーがいない場面では、ある程度相手のツボに投げないよう、どんどんストライクゾーンに投げていこうというイメージです。ランナーを背負ったときには逆にコースを狙って、勝負していこうという意識なので失投が減ってきていると思いますし、そこに投げられるだけのコントロールも今年はある程度ついたように思うので、その分打たれる確率も減っているのではないかと思います」

─ 考えを切り替えることができていたのですね。
「そうですね、ランナーを背負ったときの集中力を高く維持できるように、ランナーを背負っていない場面ではあまりコースを狙い過ぎないように良い意味でアバウトに投げることができていましたし、考えは切り替えることができていました」

─ 今季は初回失点が少なく、立ち上がりにも安定感があるということが数字に表れています。
「初回はすごく大事だと思いますし、初回をうまく乗り切れるかどうかでチームの勢いも変わってくると思うので、常々大事にするようにしています。試合前にブルペンでの投球練習ではだいたい35球投げているのですが、最後の20球くらいは捕手にその日対戦する相手打者の1番から9番打者までを想定してサインを出してもらって投げて、予習みたいな感覚で投げておいて、そのまま試合に入っています。なので、だいたいこのカウントになったら、この球で勝負する、という意思疎通があらかじめ捕手との間でできているので、慌てることもないですし、普段通りに初回を投げることができていることが、そういう数字につながっているのかなと思います」