◆印象に残るのは悔しい敗戦

─ 今季は3年ぶりの完投勝利を記録されました。完投への意識はいかがですか?
「5月に完投できたのは自信になりましたし、もっとやりたいなと思いました。ただその後は完投できそうで、できない登板もありました。やはり先発として途中でマウンドを降りるというのはすごく悔しいと感じていますし、ましてやランナーを溜めた状況で中継ぎの方に頼むというのは……。僕も中継ぎの経験がありますし、その大変さと緊迫感を知っているだけに、すごく申し訳ないという気持ちがありますよね。そういうピンチで任せてもらえるような投手にならなければならないと思いますし、まだまだそういう課題はあるので、どんどん克服してもっと成長していきたいですね」

─「これでいける」など、きっかけとなった登板はあったのですか?
「いや、それはまだないですね。正直、毎回「大丈夫かな」と思いながら、迎えていました。その中で毎試合「良かったな」という試合を重ねているので。まだ、固まった自信というか、いけるということはないですね。やはり1年だけ良い成績で終わっては意味がないですし、そういったものはこれからの登板の積み重ねの中で出てくるのかなと思います」

─ 2018年のレギュラーシーズンで印象に残っている登板はありますか?
「東京ドームでの巨人戦(2018年7月6日)で菅野智之さんと投げ合って、負けてしまった試合です。相手は日本のエースですが、僕自身もそこまである程度の成績を残していてただけに『菅野さんに勝ちたい』と強い気持ちを持って、上がったマウンドでした。でも先に点を許してしまったこともそうですし、菅野さんのマウンドでの立ち居振る舞いを見たりすると、投手としての技量であったり、そういう差を見せつけられたと思いました。負けたことはすごく悔しかったですけど、これまでそういう風に感じられることがなかったので、ありがたい経験をさせてもらった試合だったと思っています」