今季2度目の3連敗を喫したカープが最下位に転落した。打線が後手に回り、中継ぎ陣も投壊。ファンから力をもらえる本拠地での有観客試合ながら巨人に3タテを許してしまった。

 そんななか一人、気を吐いているのが堂林翔太だ。16日の試合でも持ち味である右中間への本塁打を豪快に叩き込み反撃の狼煙をあげた。5試合連続安打をマークし、堂々と首位打者(.420)の座をキープしている。

 そんな堂林も昨季までは、苦悩の連続だった。ここではプロ4年目、背番号が「13」から「7」に変わった2013年シーズンの堂林の声をお届けする。
(『広島アスリートマガジン』2013年9月号掲載)

野村謙二郎氏から背番号7を譲り受けた堂林選手だったが、打撃成績は総じて前年を下回った。

― シーズンも終盤に突入しますが、堂林選手にとって今季は開幕から苦しい日々が続いているように感じます。
「…苦しいですね。今年はたとえ良い当たりをしても野手の正面を突くことが多いように感じますし、ツイていない打席があります。ただ、全ては自分の打ち方が悪いから野手の正面に行くのだと思いますし、(バットへの力の)伝わり方が悪いので、打球がもうひと伸びしないんだと思います」

― 春季キャンプから打撃の形が安定せず、シーズンに入ってもスタンスの角度やグリップの位置が日によって変わる状態が続いています。
「今季はこれというものを確立できていません。1月の先乗り自主トレのときから東出さんに『打撃が毎日変わっている』と指摘されていました。自分では同じようにやっているつもりでも、周りから見ると変わっているということは安定していないということ。自分でも分かってはいるんですけど、形にこだわり過ぎているんだと思います。『今日はこっちの方がバットが出るな』とか『この辺に(グリップを)置いた方がバットは出やすいな』とか打撃が日替わりになってしまっています」