社会人野球2大大会の1つ、『第95回都市対抗野球大会』が7月19日にスタートする。ここでは、3年ぶり2度目の出場となる北関東第1代表のエイジェック男子硬式野球部の独占インタビューをお届けする。第3回目は河北将太投手に話を聞いた。
◆これまでの自分と決別するためのマウンド
―6月6日に行われた北関東大会で先発登板した日立製作所戦を振り返ってみて、いかがでしたでしょうか。
「あの試合は自分の野球人生の中でもTOP3に入るくらい良い試合でした。昨年1年間はなかなかチームに貢献できず、悔しい思いをしていました。そういう中で、チームに貢献できるチャンスだったので気合いが入りました」
―難波貴司監督が交代を告げに行った際、『続投』を志願されたと聞きました。
「そうですね。負けたとしても勝ったとしても、連戦になることは組み合わせを見た時点で分かっていました。マウンドに上がる前提として、ブルペン陣の負担を減らせるように、投げ切る気持ちでいました。あとは9回のマウンドに上がった時に、“これまでの自分と決別するためのマウンドでもある”と考えていたので、監督に自分自身を変えるためにも『続投したい』という意志を伝えました」
―そんな河北投手の思いもあり、チームは2連勝し、第1代表になりました。身の回りでの反響はいかがでしたか?
「自分から報告をさせていただいた時にも祝福の声はたくさんいただきましたし、高校の友達や大学の同期からもたくさんメッセージをもらいました。色々な人の支えや応援があってプレーできているんだということが実感できました」
―組み合わせが決まり、1つ勝利するとどちらが勝ってたとしても、大学時代のチームメートとの対戦になります(日本通運:木村翔大、松澤海渡 日本生命:山﨑基輝、松本渉)。
「都市対抗になると大学も高校もOBがたくさんいるので、勝ち上がっていければおのずと元チームメートと対戦できるので楽しみですね。でも、まずは目の前の1戦に集中したいです」
―代表決定直後には、チームの“全国初勝利”を挙げたいと話されていました。
「そこへの思いは変わらないです。昨年は補強選手としてSUBARUさんの一員として、都市対抗に出場させていただきましたが、今年はエイジェックで出場できます。勝利に貢献するのではなく、“自分が勝たせるぞ”という気持ちが大きいです」
―今年は補強選手を招集する側ですが、同い年、同じポジションの中島悠貴投手(茨城トヨペット)をどう見ていますか?
「同じ東都大学野球連盟の出身ではあるのですが、交流自体は今までなかったんです。ただ、社会人になって同じ地区なので、おのずと知ることになりました。同じチームとして今動いている中で、左腕で150キロに迫る球を投げる姿はとても刺激になっています」
―最後に今大会の意気込みと、当日エイジェックの応援に東京ドームへ足を運んでくださるみなさんへメッセージをお願いします。
「近年、栃木県のチームは都市対抗野球大会で勝てていないと聞いています。なので、今年は第1代表として出る以上、良い結果を持って栃木県に帰ってきたいと思っています。自分がこうして栃木県で活動をしているのもご縁だと思うので、栃木県が盛り上がるような試合、投球をしたいと思います。個人としては今年が本当にNPBに向けて勝負の1年になるので、緊張感を楽しみながら自分自身をマウンドで、全力で、表現したいです。そして、今までお世話になった人たちや応援に駆けつけてくださるみなさんに『社会人野球選手・エイジェック河北将太』の集大成を見せられる大会にしたいです」
【第95回都市対抗野球大会】
エイジェック初戦
エイジェックvs 日本製鉄瀬戸内
7月24日(水)18:00〜 @東京ドーム