勝負の9月で失速し、9月18日時点でリーグ3位、4位のDeNAに0.5ゲーム差に迫られるなど、正念場を迎えているカープ。ここではカープOBの笘篠賢治氏が、終盤の打線のキーマンについて独自の視点で語る。

カープOBの笘篠賢治氏がキーマンとして挙げた、野間峻祥

◆打線のキーマンは野間峻祥 

 9月10日からの7連戦では、巨人戦で3連敗、阪神戦で2連敗、4位DeNAとの2連戦では1勝に留まり、1勝6敗。9月は3勝12敗と失速し、4位のDeNAともゲーム差0.5に迫られています。終盤は他球団に比べてゲーム数を多く残していましたが、簡単に逃げ切って勝てるほど甘くはない世界です。しかし、まだまだ諦めるところではありません。ここからが本当の正念場です。負けられない試合を一つひとつ取っていくしかないでしょう。

 残り数試合の状況で、打線のキーマンを1人挙げるならば、野間峻祥です。もちろん秋山翔吾が出塁し、クリーンアップの小園海斗や坂倉将吾が返すという得点パターンは大事です。しかしながら、さらなる得点の流れをつくっていくには、野間の存在が大事になると個人的に感じています。ここ数試合は4番での出場機会もあり、今こそ首脳陣の期待に応えてほしいところです。

 野間の特徴として、ファーストストライクを見逃すというスタイルがあります。個人的な見解となりますが、このスタイルを変えるのも良いのではないかと感じています。じっくりと打席の中で見極め、相手バッテリーの配球を読みながら勝負することは悪いことではありません。ただ、当然ながら他球団も今季の野間はファーストストライクを振らないというデータが出ているはずです。その結果、初球に甘いところに投げて簡単にストライクを取られています。

 ここからは落とせない戦いばかりです。今季の野間のスタイルを理解した上で、特にチャンスで打席に立つときは尚更、初球から積極的に攻めていってほしいものです。今季は投高打低という状況ですが、今こそ、積極的な打撃を展開し、数多くの得点に絡んでもらいたいです。

 野間は今季で節目の10年目を迎え、年齢的にも中堅選手です。同じ外野手であるベテラン・秋山の存在は大きいですが、「先輩が引っ張ってくれているから」ではなく、「自分が引っ張っていくんだ」くらいの気持ちを持ってほしいところです。泣いても笑ってもシーズンは残り20試合を切っています。悔いの残らない打撃・プレーを見せてもらいたいです。