巡業先のホテルのテレビで、カープ25年ぶりのリーグ優勝を見届けた内藤選手。

◆試合直前までスマホの一球速報と格闘

 さて、前回に続いて“思い入れ”ベストゲームを紹介したいと思います。今回は2016年9月10日、東京ドームでの巨人戦です。日付でもう分かりますよね? カープが25年ぶりにリーグ優勝を決めた試合です。

 実際に球場では見ていなくて、当日は巡業中で富山県にいました。仮にその日負けたとしても、その次の日とかに優勝は決まっていたと思いますけど、「ついにこの日が来たか 」と思って、試合会場でソワソワしていました。自分の試合の入場直前まで、スマホの1球速報でこまめに試合展開をチェックして(笑)、試合が終わったら急いでホテルに戻りました。

 テレビをつけたときにはもう終盤でしたけど、画面越しからでも東京ドームの異様な雰囲気は伝わってきましたね。ビジターでもカープファンが多いのはいつものことでしたけど、でもこのときはいつも以上に球場が赤に染まっていて、なんか球場全体がソワソワしているのを感じました。

 正直、その光景を見て「オレはここにいていいんだろうか?」って思いましたね。今すぐ新幹線に乗って、富山から東京に戻らないといけないんじゃないかって(笑)。優勝が決まったときは、25年ぶりですし、オレがカープファンになって初めて見るリーグ優勝だったので、スゴくうれしかったです。

 画面越しで見ているカープの選手たちに「ありがとう」っていう気持ちも沸きましたけど、でもすぐに「これはリーグ優勝をしただけだ。すぐに日本一を目指すための闘いが始まるんだ」って、わりと冷静になりました。素直に喜べって? いやいや、リーグ優勝したのはうれしいことだけど、そこでシーズンが終わるわけではないですから。

 リーグ優勝で満足しちゃいけないし、まだ先にはクライマックス・シリーズ、日本シリーズと闘いがあったわけですからね。とは言いつつも、初めて見た優勝の胴上げがうれしくて、カープファンの友だちにLINEとかをしまくってましたけど(笑)。