◆カープと重なったG1の本間朋晃選手
新日本プロレスでは毎年「G1 CLIMAX」っていうリーグ戦があるんですけど、６年前に本間朋晃選手が初出場しました。最近よくテレビに出ている、ガラガラ声の人ですね（笑）。今でこそ敵ですけど、かつては本間選手とタッグを組んでいたこともあるし、今のテレビで見せている姿からも分かるように、スゴくお客様から応援されるというか、愛されるタイプの選手なんですよね。
そんな本間選手が初めてG1に出たとき（2014年）、10試合のリーグ戦があって、10連敗したんですよ。出場者、唯一の全敗に終わったんですけど、負けが続いていくうちに、どんどんお客様からの声援が大きくなっていったんです。本間選手のキャラクターもあったんでしょうけど、負け続けている選手があれだけ応援されるっていうのも、プロレス特有かなって思いましたね。
翌年も本間選手はＧ１に出て、初戦から７連敗をして、２年越しで17連敗しました。でも、８戦目でついに１勝を挙げて、そのときの会場の熱狂はスゴかったですよ。これも前年から負け続けていた“タメ”があったからこそのお客様の反応ですよね。
正直、Ｇ1は優勝の可能性がほぼない選手は出るべきじゃないと思います。でも、オレも敵でありながら、ずっと負け続けていた本間選手の試合は気になってチェックしていたし、負け続けていた本間選手を応援するお客様の気持ちっていうのもなんとなく理解できます。
ある意味、カープも同じじゃないですかね。優勝はおろか、優勝争いに絡むこともない時期が長く続いて、そういう中でもオレも含めてカープファンは応援し続けてきたわけですよ。もちろんカープが好きだから応援しているわけですけど、地道に選手を育てたり、応援したいと思わせる姿勢があったから、お客様はあきらめずに根気強く応援して、優勝したときに喜びを爆発させることができたんでしょうね。
本間選手も応援したいと思わせる闘いぶりを見せて、コメントでも「絶対にあきらめない」という言葉を発し続けていたからこそ、お客様も声援を送り続けていたんでしょうね。そんな本間選手は３年前に首に大ケガを負ってから、Ｇ１には出ていません。もう一度、あのとき応援し続けてくれたお客様のためにもＧ１出場を目指してほしいですね。
では、今回はこのあたりで失礼させていただきます。次の連載まで、トランキーロ…あっせんなよ！
