◆いかに真っ直ぐを打ち返すか

 2年目の2018年も攻守両面で順調にステップアップを果たした。一学年下のドラ1ルーキー中村奨成との併用のため出場試合数こそ限られたものの、58試合に出場して安打を量産(打率.329)した。近くで見続けてきた朝山東洋一軍打撃コーチも坂倉の打撃には一定の評価を与えており、二軍打撃コーチ時代にはこのようにコメントしている。

「今季も昨季と同じような数字を残していますけど、内容が全然違うんです。今季は直球を打てるようになりました。昨季までは力のある直球に対して、空振りやファールすることが多かったですが、少しずつ打撃に力強さが出てきたと思います」

 二軍とはいえ2年連続で打撃において結果を残したことで、プロ3年目の昨季は一軍での試合出場数が飛躍的に伸びた。スタメン出場の機会は限られたが、外野手にも挑戦することで持ち味の打撃を生かす場面での起用が急増した。しかしながら一軍の舞台では、ウエスタン・リーグほどの打撃成績を残すことはできなかった。その要因となったのが、昨季中にすでに朝山コーチが見抜いていた“直球への対応力”だった。

「二軍で数字を出していますから、周りの評判が良いですよね。でも身近で見ていると、ヒットにしているのは変化球が多いんです。速い真っ直ぐを弾いていないので、そこは改善しないと一軍ではボロが出てしまいます。彼のバロメータは、いかに真っ直ぐを打ち返すか。変化球は上手いので、彼の場合は(課題は)もうそこだけですね」