◆今季は捕手一本で勝負

 課題が明確なだけに、坂倉は4年目の今季も春先からバットを振り続けた。守備の面でもオフは炭谷銀仁朗(巨人)らと合同自主トレを行い、捕手としてのスキルアップに努めた。春季キャンプでは異例の捕手5人体制が敷かれるなか、外野手としての練習は行わず捕手一本に特化。より厳しい環境に身を置きながら捕手枠で結果を残し、バットでも第1クールから柵越えや安打性の当たりを量産してみせた。

 コロナ禍で開幕が遅れたものの、坂倉は春先の状態を維持し続けている。今季は13試合に出場し、8月2日の時点で打率は.345(29打数10安打)。會澤、磯村嘉孝らとのポジション争いに打ち克つには、リードはもちろんのこと、現状の打撃をキープし続けることが一軍定着への近道となる可能性は高い。

「常々思っているのは試合に勝てなければとにかく意味がないので、チームを勝たせる選手になっていきたいと思います。すぐには無理かもしれませんが、3割近く打てて、ホームランもある程度打てるようになりたいです」

 これはプロ1年目に坂倉が掲げた攻守両面での目標だ。時間がかかると言われる捕手枠で、若手筆頭格がまずは打撃面でどれだけの結果を残していくのか。背番号61の今後にさらに注目したいところだ。