1990年の開校以降、多くの有望選手を輩出しているカープアカデミー。選手の発掘、育成を目的にカープが日本球界で初めて野球学校をドミニカ共和国に設立してから、今年で35年目を迎える。これまで30人を超える選手が選手契約を勝ち取り、チームに大いに貢献してきた。ここでは、過去にカープに在籍した主なドミニカ戦士を振り返ってみよう。(全3回/第1回)
◆「カープで基礎を築き、メジャーで大成」アルフォンソ・ソリアーノ 1996-1997
カープアカデミーで猛練習を積み、1996年に来日。1年目は二軍生活に終始したものの、ウエスタン・リーグで実戦経験を積み、1997年に一軍登録を果たす。しかし、出場数はわずか9試合にとどまった。
1998年は球団と契約面で折り合いがつかず、任意引退の形で退団。日本では名を残すことができなかったが、1999年からプレーしたヤンキースではトリプルスリーを達成するなど一流選手の仲間入りを果たした。
カープ時代の同僚である球団アドバイザー・黒田博樹氏とは、のちにメジャーリーグでもチームメートとなっている。
◆「誰からも愛された陽気なドミニカン」ティモ・ペレス 1996-1999
1995年に来日を果たし、1996年の開幕前に支配下選手登録を勝ち取ったペレス。
オープン戦から結果を残し、開幕戦ではサヨナラ打を放つなど俊足巧打の外野手として活躍し、その陽気な性格も相まって、ファンの間で人気を博した。
メジャー志向が強く1998年にポスティングシステムでの移籍を希望するも、入札がなくカープに残留。しかし翌年限りでカープを自由契約となり、夢であったメジャーリーグに移籍した。
日本、そしてメジャーの双方で結果を残したカープアカデミー出身選手として、今も語り継がれる存在となっている。
(第2回へ続く)