─ そういう意味で言うと、2019年は新井さんという家族の一員がチームから抜けたシーズンでしたが、石原選手としてはどのような感覚で戦っていたのでしょうか?

石原:やっぱり新井さんは背中でも引っ張ってくれていましたし、僕だったり會澤(翼)も、最後に相談するのは新井さんでしたからね。新井さんがいなくなって、当然僕がそういう事をやっていかなければいけないんですが、新井さんの存在の大きさを改めて感じましたよね。


─ お二人ともお互いにチーム最年長という経験をされています。石原選手は今季初めてチーム最年長としてプレーされましたね。

石原:僕の場合は試合に出ることが減ってきているので、試合に出ていないときにちゃんとしないといけないですし、僕がそこに甘えてしまっていたら、若い子がその姿を見て『それでもいいんだ』と思ってはいけないというのはありました。なんとか話しやすい雰囲気をつくるために、こちらから若い子に話しかけたりしてコミュニケーションを大事に考えていましたね。

新井:石原はそう言っていますけど、僕は解説者としてチームを外から見ていて、よく頑張っているなと思っていましたね。若い選手が多い中で最年長のベテランが石原で中堅どころが會澤。キクとか(田中)広輔、安部(友裕)、野村祐輔あたりも中堅クラスになってきていますよね。年齢的にいったら、石原の次は會澤ですよね。會澤は選手会長も経験してキャッチャーというポジションだし、リーダーシップを見ていても年齢的にも親父的な役割で、石原はおじいちゃん的な役割ですよ。そう考えると會澤もシーズン中は石原に相談することもあったんだろうなという想像はつきますよね。自分から見たら、思ったよりというか、結果云々ではなくて、『頑張ってるな』という印象を持っていましたよ。たまに解説で球場に行ってみんなと会っても良い雰囲気だなと思いましたしね。


(広島アスリートマガジン2020年1月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 新井貴浩 (あらいたかひろ)
1977年1月30日生、広島県出身、42歳。広島工高-駒澤大-広島(98年ドラフト6位)-阪神(08~14年)-広島(15~18年引退)。

▼石原慶幸(いしはらよしゆき)
1979年9月7日生、岐阜県出身、40歳。県立岐阜商高-東北福祉大-広島(01年ドラフト4巡目)。