プロ3年目にして開幕ローテーションの座をつかんだ遠藤淳志が、試合を重ねるごとに安定感を増している。開幕当初は苦しい投球が続いが、登板3戦目以降は7月26日のDeNA戦を除いて自責点2以下をキープし続けている。

開幕直後は苦しんだが、粘りのある投球で先発ローテーションを守り続けている遠藤淳志投手。

 先発投手としての成長を感じさせたのは、8月2日の巨人戦だ。強力巨人打線を相手に118球を投げきり、5安打2失点でプロ初完投勝利を記録。2本の本塁打を浴びたものの、無四死球と大崩れせず勝ち取った勝利は、大きな自信となったに違いない。

 以降の試合も安定感に富んだ投球を続け、ここ2試合は連続でクオリティスタート(6回以上、自責点3以下)も記録している。昨日の巨人戦は白星こそ手にすることができなかったが、プロ入り後最多の120球を投げ込み7回を1失点で切り抜けてみせた。

 条件は決して良かったとは言えない。1回、先頭打者に四球を許した直後に、雨脚が強くなり42分間の中断を余儀なくされた。再開後も坂本勇人に四球を選ばれピンチを招いた。それでも以降の中軸打者を打ち取り、巨人に傾きかけていた試合の主導権を引き戻すことに成功した。

「大瀬良(大地)さんだったり、野村(祐輔)さんからいろいろたくさんアドバイスをもらっています。先輩方からは『1イニング1イニング、1人1人全力で』とアドバイスをもらっていて、今は1イニング毎回、全力投球で投げていくという気持ちを忘れないようにしています」

 120球の全力投球は実り、自身に勝ち星こそつかなかったものの7回1失点と好投。チームを今季2度目の3連勝、今季初の同一カード3連勝をチームに引き寄せた。同カードに先発した森下暢仁の8回1失点、大瀬良大地の8回2失点に続く文句なしの好投だった。

「ここまで先発として投げさせてもらう中で先発で投げる中で打たれてしまったり、長いイニングを投げることができなかったときに、自分に自信が持てなかったことがありました。だからこそ、強い気持ちが一番大切なんだと感じています」

 開幕から先発ローテーションから外れることなく、日を増すごとに安定感を増す遠藤。一軍投手陣最年少の本格派右腕は“強い気持ちを”胸に右腕を振り続ける。