リーグ戦は首位まで勝ち点差わずかに『2』まで迫ったサンフレッチェ広島。9月にはいよいよAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)も開幕し、例年以上の厳しい連戦が予想されている。ここではクラブOB・吉田安孝氏が、シーズン前半戦を振り返り『ベストゲーム』をチョイス!印象的な2試合について解説する。(全2回/第1回)
◆首位相手の完封勝利と、大逆転の劇的な1戦
8月6日の天皇杯を皮切りに、本格的にシーズン後半戦が始まりました。8月はホームでのリーグ戦のほか、ACLEの組み合わせ抽選など、サンフレッチェから目が離せないファンも多いのではないでしょうか。
今回は、今シーズンの開幕から7月までの試合を振り返り、『前半戦ベストゲーム』、そして後半戦で期待したい選手についてお話ししていきましょう。
8月6日の天皇杯を皮切りに、本格的にシーズン後半戦が始まりました。8月はホームでのリーグ戦のほか、ACLEの組み合わせ抽選など、サンフレッチェから目が離せないファンも多いのではないでしょうか。
今回は、今シーズンの開幕から7月までの試合を振り返り、『前半戦ベストゲーム』、そして後半戦で期待したい選手についてお話ししていきましょう。
8月はホームでのリーグ戦のほか、ACLEの組み合わせ抽選など、サンフレッチェから目が離せないファンも多いのではないでしょうか。
今回は、今シーズンの開幕から7月までの試合を振り返り、『前半戦ベストゲーム』、そして後半戦で期待したい選手についてお話ししていきましょう。
まずは前半戦のベストゲームです。ここでは、特に印象的だった2試合を上げたいと思います。1試合は、4月2日のホーム・鹿島戦です。今シーズンの前半は、FC東京戦 (5月25日・◯3−0)や横浜FC戦 (6月22日・◯4ー0)など、複数得点、しかもクリーンシートで勝利した試合もありましたが、個人的に印象に残ってるひとつ目の試合が鹿島戦でした。開幕前から優勝候補として名前の挙がるチームはいくつかあり、サンフレッチェはもちろん、鹿島も優勝候補の一角と言われていました。
実際に鹿島は開幕から好調を維持して首位を走っており、ホームで行われた鹿島戦は、首位との直接対決として注目を集めました。そのなかで、大きなピンチもほぼなく、相手に何もさせず1−0で勝利を収めたこの試合は、まさに完璧な試合だったといえるでしょう。鹿島らしいフィジカルの強い1対1のバトルや球際の厳しさ、ハードワークの見られる試合でしたが、90分集中力を切らすことなく、全員で高い守備意識を持ちながたタフな試合をしっかり勝ち切ることができたことは大きかったと思います。
もうひとつは、5月17日のホーム・東京V戦です (◯2−1)。1点を追いかける展開となったものの、後半終了間際にジェルマンが同点ゴールを決め、さらにその2分後に川辺駿が強烈なボレーシュートを決めて大逆転に成功しました。これは、点を取られても乱れることなく、途中交代の選手を投入しながら我慢強く最後まで戦い抜いた結果の勝利だったと思います。
そしてこの勝利を引き寄せたのは、選手たちの力もありますが、何よりもエディオンピースウイング広島に集まったサポーターが生み出した雰囲気だったと思います。私もこの試合を見ていましたが、ジェルマンの同点ゴールが生まれた瞬間、 『これはひっくり返せるのではないか』という思いが頭を過りました。そのくらい、スタジアム全体の雰囲気や選手たちの動き、空気感が変わったと感じました。
ここからシーズンが終盤に入っていくと、このようなしびれる試合が増えていくことは間違いありません。上位を争うサンフレッチェにとっては負けられない試合が続きますし、ギリギリのところで試合をひっくり返すことができるかどうかが優勝の分かれ目になってくると思います。そういう意味でも東京V戦のような試合展開は、今シーズン前半の印象的な一戦だと言えるでしょう。
(後編へ続く)