リーグ5位でシーズンを終えた3年目の新井カープ。『変化』を掲げて挑んだシーズンは、終盤に多くの若手選手が一軍の舞台を踏んだ。ここでは一軍定着を狙う育成出身選手と、来季の支配下登録を目指す育成選手たちの今シーズンの言葉をお届けする。
2019年の育成ドラフト1位で入団し、2022年に支配下登録となった捕手・持丸泰輝。支配下1年目以来となる一軍出場を目指す持丸が、二軍で向き合う目標と、背負うプレッシャーについて語る。
◆『一軍に上がらないと』というプレッシャーは増している
北海道・旭川大高から育成ドラフト1位で指名を受け、2022年に支配下登録。23歳の持丸は、現在カープに所属する育成出身選手では大盛穂に次ぐキャリアの持ち主だ。
「高校の監督からは、正直、育成でも指名は厳しいのではないかと言われていました。だからカープに指名された時は、それだけですごくうれしかったことを覚えています」と、2019年当時を振り返る。
育成指名でもうれしかった、と振り返りながら、一方で「コーチからは、三桁の背番号はまだプロの選手ではないと厳しい言葉もかけてもらいました。確かに、二桁の背番号じゃないと一軍の試合には出ることができませんからね。一軍で試合をする権利すらないなかでのスタートだったので、3年間の計画を立てながら取り組んできました」。
その結果、2022年6月に支配下登録を果たす。育成3年目のシーズンのことだった。
支配下の登録期限は7月末。ぎりぎりといっても良いタイミングでの登録に、「焦りは当然ありました」と話す。
「6月までは、守備の面はともかく打撃成績がすごく悪かったので、このままだったら……という諦めのような思いもありました。だから、支配下にするよと言っていただけた時は安心しましたし、すごく驚きました」
焦りのなかでもがきながらも、3年目でつかんだ二桁の背番号。
「自分ももう6年目です。『一軍に上がらないと』というプレッシャーは、育成の時に比べて増したと思っています。前川 (誠太)や二俣 (翔一)が一軍で即結果を残していますし、悔しさもあります」
来季、持丸が見据えるのは一軍での活躍だ。
■持丸泰輝(もちまる・たいき)
2001年10月26日生、北海道出身
177cm 91kg/右投左打/捕手/プロ6年目・23歳
旭川大高−広島(2019年育成ドラフト1位)