広島の堅守を支える要のひとりとして、チームにも、戦術にも欠かせないCBだ。他を圧倒する空中戦の強さに、屈強なFW相手にも互角に渡り合う対人強度。広島で7年目を迎えた荒木隼人は、タイトル獲得の使命を課せられたチームで最終ラインの番人として進化を続けている。(全3回/第1回)

 

守備面はさらに良くなっている。できることも増えてきた

ー現在(取材時7月30日)、チームは勝点42、リーグでは5位につけています。ここまでを振り返ってみていかがですか。

 「チームとしてはまずまずの成績で来れているのではないかと思います。開幕当初は良い試合、良い内容の試合ができていましたが、中盤での4連敗やACL2の敗退などもあり、うまく行かないタイミングもありました。ただ、5月以降はチームとして盛り返すことができたと感じていますし、個人的にも非常に良いパフォーマンスが続けられていると思います」

ーうまくいかなかった時期と、盛り返すことができた時期では、チームに変化があったのでしょうか。

 「何かが変わったというよりも、自分たちのサッカーがしっかりできるようになったことが大きな違いだと思います。負けてしまった試合では、自分たちのサッカーができていなかったと感じています。逆に、前線からのプレスや前へ素早くボールを運ぶプレー、固い守備という自分たちらしいサッカーができた試合では、しっかり勝つことができていたと思います」

ー『自分たちのサッカーができなかった』。その背景には、どのような要因があったと考えていますか。

 「そうですね。守備の面でいえば、やはりカウンターからの失点が多かったように感じます。最後に踏ん張りきれないというところもありましたし、そういったところからの失点で流れが悪くなってしまったというか……。そうした守備面の影響もあって、攻撃もうまくいかなくなってしまったのではないかと思っています」

ーその一方で、チームはここまでリーグ最少失点(18失点)をマークしています。

 「最少失点に関しては、そもそも被シュート数が少ないことも影響していると思います(被シュート数はリーグ19位の235本)。その要因としては、やはり前からの守備が機能しているところが大きいと思いますし、チーム全員に、自分を超えた後のプレスバックの意識が浸透していることもあると思います」

ースキッベ監督のサッカーは、前線からのプレッシングなど、DFラインに求められるものが非常に多い印象です。この4シーズンで、荒木選手自身が成長を感じる部分はありますか。

 「守備の部分はさらに良くなってきていると思いますし、できることも増えてきたと感じています。監督からは個人的に言われること、求められるものというのは特にはないのですが、やはり、空中戦であっても地上戦であっても、常に『1対1では負けない』ということは一番大事にしています。相手がスピードのある選手なのか、パワータイプなのか、テクニックがあるのかというそれぞれの選手情報も、できる限り試合前に把握するようにしています。空中戦に関してもジャンプのトレーニングは欠かしませんし、横からのボールやクロスに合わせる練習もしています。ボールの落下地点を素早く見つけることや、自分の最高到達点を把握して最良のタイミングで合わせること。そうしたトレーニングにも、時間をかけて取り組んでいます」

(第2回に続く)