身長198センチ、体重116キロという恵まれた体格を持つ高卒ルーキー小船翼。高校時代に叩き出した最速152キロの速球を武器に、二軍で着実に登板を重ねている。支配下登録選手を目指し、日々汗を流す背番号123の今と野球人生に迫る。(全2回/第1回)
◆ベストコンディションの試合で痛感したプロの世界
ープロ野球の世界に入って約半年が経ちました。ここまでの手応えと課題を聞かせてください。
「投球自体はまとまっているというか、そこまで荒れてはいないという感覚を持っています。その点は上手くいっているかと思いますが、登板の機会が増えて投げていくにつれて、『もっとまとまっていかなければいけないな』という思いにもなってきました。ここから先はさらに、投手としていろいろなことができるようになっていかなければダメだと思っています」
ーシーズン開幕直後にお話を聞いた際に『プロの世界は打者の力が全然違う』と話されていました。そこから約2カ月経ちましたが、磨いてきたこと、課題として取り組んできたことがあれば教えてください。
「ストレートは良いイメージで投げることができていると思います。ストレートは自分の強みでもあると思っているので、この感覚を継続したいです。あと、制球面はまだまだですが、変化球もまとまってきてはいるので、ある程度勝負ができているのかなと思っています」
ー4月4日のウエスタンリーグ・オリックス戦(由宇)がプロ初登板でした。佐藤柳之介投手の後を受けて二番手で登板されましたが、初めてのプロのマウンドを振り返ってみて、いかがでしたか。
「あの試合は事前に登板することを知らされていたのですが、結構緊張していました。試合当日も緊張するんじゃないかな……と思っていたのですが、投げる直前になったらあまり緊張することもなくマウンドに上がれました」
ーそのプロ初登板は1イニングを投げて無失点という結果でした。何か手応えなどはありましたか?
「あの日は初登板ということもありましたし、とにかく必死に投げることだけを考えていました。5回表にマウンドに上がったのですが、とにかく必死で、その回を投げ切ったという感じでした」
ーそして、プロ初失点となったのもまた4月のオリックス戦でした(4月26日、マツダ スタジアム)。あの試合を通して感じたことや、心境の変化があれば聞かせてください。
「あの試合は、ストレートも走っていたと思いますし、それまでの登板の中では一番自分の力を出すことができたと感じた登板でもありました。ただ、自分のなかで一番だと思っているピッチングでも、打たれるんだな……と思いましたし、振り返ってみれば変化球もあまり使えていなかったと思います。やはりプロの世界では、ストレートだけでは抑えられない、今のままではダメだと改めて感じました」
ーその結果を踏まえて、その後は変化球の精度を上げることなどにも取り組んでいるのでしょうか?
「そうですね。やはりストレートを活かすためには変化球が必要ですし、変化球があるからこそストレートで勝負ができると思うので取り組んでいます」