◆前年の悔しさをぶつけた終盤
— 今季1年間、黒田投手とともにシーズンを戦った訳ですが、黒田投手と過ごしたシーズンはどんな期間でしたか?
「僕が1年目のときは一軍で一緒にやることができなかったので、一軍で一緒にプレーできて光栄でした。黒田さんの野球に対する姿勢であったり、準備などいろいろ学ぶことがありました。僕もこれまで先発陣ではなかなか年上の先輩がいなかったので、経験がある方がいると心強さも違いました。またアメリカで長くプレーされていた方なので、日本とは違う感覚も持たれていて、そういうお話も聞くことができました。僕だけではなく、他の投手にも良い刺激、緊張感をもたらせてくれる大きな存在でした」
— 開幕して以降、2014年シーズンと比べて自身の投球スタイルに変化を加えたことはありますか?
「投球スタイルにあまり変わりはありませんでした。開幕前から投げ始めていた縦のスライダーはあまりうまくいかず、途中から投げなくなりましたし、フォークの練習をして投げてみたりしましたが、基本的には変わりありませんでした」
— 開幕前から『今季はストレートに磨きをかけたい』と話されていました。1年間通じて、ストレートに関してはどんな手応えを感じられていましたか?
「やはり良いときもあれば、悪いときもあるので、納得する球にはなっていません。自分で思っていたよりもストレートで押せないときもあったので、これからも課題になってきますし、まだまだ納得するスピードも出ていないので、追求していかなければいけないと思いましたね」
— 今季は夏場以降、勝負強さを発揮された印象があります。
「昨季大事なところで勝てなかったのは自分でも分かっていたので、同じ失敗はできないという気持ちがあり、責任を感じていました。それだけに今季はチームがしんどい時期に勝たなければならないと思って投げていました。それが結果に繋がったと思います」
— 昨季から調整法に変化を加えたのでしょうか?
「調整は変えていません。体の状態だけで見ると、昨季の後半戦の方が良かったかもしれません。本当に強い気持ちと、気負い過ぎないことだと思います。昨季に失敗したのは大事な場面で気持ちを入れ過ぎて投げていたことです。逆に今季は大事な試合でも、そのなかでいつも通りのペース配分を考えて投げることを心がけていました。それに加えて、悔しさをバネにできたことだと思います」
— 15勝目をマークされた登板では久々の一発もありました。
「あの試合はチームが負けられない状況でプレッシャーがありました。あとはジョンソン、晋太郎(藤浪・阪神)と最多勝を争っていたので、とにかく勝たないと獲れないという思いを持って投げていました。久々にホームランを打てたのは純粋にうれしかったですね。勝ち星よりホームランの方が嬉しかったぐらいです(笑)。久しぶりに打ったので、いつもの勝ちよりも少し興奮していましたね」
(後編へ続く)