プロ3年目の今季、ビハインド時の登板がメインながら、カープ中継ぎ陣の中で着実に評価を上げているケムナ誠。

 8月29日の阪神戦では4回からの2イニングスを投げ5三振を奪うなど、高い奪三振力が魅力の右腕だ。一軍に自らの居場所を確立するべく奮闘する背番号29に、自身の進化について語ってもらった。

150キロを超える直球を武器に存在感を見せているケムナ誠投手。

─ 今季は序盤に一軍に昇格し、中継ぎとして登板を重ねています。ここまでの自身の投球を振り返り、良い部分、結果が出せている要因を自己分析するとどのような点ですか?

「自分の今の良い部分としては、打者に向かってどんどん向かっていく姿勢が出せていることだと思います。一軍に上がってから試合で受けていただいた會澤(翼)さんにも、打者に向かっていく姿勢は良いと言っていただけましたし、そこは自信を持っていたいと思います」

─ 昨季一軍デビューを果たし、今季はご自身の中でも例年以上に気持ちが入ったキャンプを過ごしていたと思います。シーズン前はどのような点を意識して練習をされていたのですか?

「オフの間はトレーナーさんと相談しながら『体重をとにかく増やしていこう』と話をして、ウエートトレーニングを中心にやってきました。元々は95キロくらいだったのですが、そこから7キロくらい増えて102キロくらいまで増やすことができました。でも、その分、体が固くならないように柔軟もして、もちろんキャッチボールも大事にしていました。後は球速もアップさせたかったので、遠投もしっかり取り組むようにしていました」

─ 今季一軍昇格を告げられたときは率直にどのように感じましたか? また今季初の一軍登板となった阪神戦(7月5日・マツダスタジアム)はどのような思いでマウンドに上がったのでしょうか?

「一軍昇格は二軍の福岡遠征の途中で水本(勝己)監督に呼ばれて、「明日から一軍に行ってこい」と言っていただいたんですが、正直すごくうれしかったですね。一軍の今季初登板についてですが、二軍で菊地原(毅)コーチと永川(勝浩)コーチに『お前の良さはガムシャラに行くことだから』と言われていたので、とにかく一球一球を全力で、先を考えないで、とにかく今を全力でという気持ちで投げていました」

─ ここまで一軍での登板の中で最も手応えがあった登板と、その理由を教えてください。

「2試合あるんですが、1つは床田(寛樹)さんのバックアップで投げた試合(7月18日・ヤクルト戦(マツダスタジアム))で、1死一、二塁のシチュエーションでマウンドに上がることがあったんですが、追加点を与えたくない場面で二者連続三振を取れたというのは良かったと思います。コースも投げ分けられていましたし、球速も出ていて自分の納得がいく投球ができたと思っています。あとはDeNA戦で大瀬良さんのアクシデントという形で3回からマウンドに上がった試合(7月24日・横浜)で、3回1失点で投げられた試合です。あのような強打者が並んだDeNA打線を相手に真っ向勝負をできたことがすごく印象に残っています」

─ 今季は試合途中でマウンドに上がる場面が多いですが、難しさを感じるとすればどんな点ですか?

「マウンドに上がるときは複数イニングを任される場面も多いのですが、あまり意識しすぎないようにしています。澤﨑(俊和)コーチに言われている『とにかく一球一球全力で投げろ』ということを意識しています」