即戦力右腕として期待を集め、周囲の期待通りの投球を見せている森下暢仁。誰も経験したことのない開幕延期を経験し、シーズン前は不安な結果を残すも、6月の開幕後はプロ初勝利、プロ初完封を記録するなど安定した投球を展開している。

 初々しさと、ルーキーらしからぬ責任感を併せ持つ背番号18に、プロ初登板を迎えるまで、プロ初勝利についてなど改めて語ってもらった。

開幕から好投を続けるドラフト1位ルーキーの森下暢仁投手。

◆逃げずに自分の球をしっかり投げるということを意識している

─開幕を迎えるまでに約3カ月間延期の時期がありました。この期間は一軍に帯同し続ける中でどのような調整方法で過ごしていたのですか?

「延期している時期にできることは練習しかなかったので、とにかくしっかりと開幕に向けて練習をしていました。まだ調整方法も分からない部分があるので、コーチやトレーニングコーチの方々の指導の元で練習をするだけでしたね」

─ 開幕直前の練習試合では2試合連続で打ち込まれる登板が続きました。どのような思いで開幕を迎えましたか?

「開幕前の練習試合2試合では打たれてしまいましたが、しっかりとした球を投げられていると思っていました。なので、練習試合で打たれてしまった結果をシーズンに入って出さないようにしたいと思っていました」

─ プロ初登板についてお伺いします。無観客でのデビュー戦は7回を投げて4安打無失点の好投でしたが、練習試合と感覚は違いましたか?

「プロ初登板は無観客試合ではありましたが、練習試合と違ってやっぱり最初は緊張した部分がありました。ですが、『勝たないといけない』という強い気持ちで臨むことができたので、ある程度良い投球ができたと思います」

─ プロ2度目の先発となった6月28日の中日戦(ナゴヤドーム)では、見事にプロ初勝利を手にしましたが、率直にどのような気持ちでしたか? また惜しくも完投を逃しましたが(9回2死で降板)それに関してはどんな思いでしたか?

「プロ初勝利に関しては、率直に『勝てて良かったな』という気持ちと、『最後まで1人で投げ切りたかった』という両方の気持ちがあった試合になりました。でも、勝てて本当に良かったなという気持ちが強かったですね」

─ コンディション不良により7月10日から出場選手登録を抹消されました。戦列を離れた期間どんな思いでしたか?

「やはり、一番はチームに迷惑をかけてしまったという思いがありました。ですので、これからはしっかりと離脱しないようにやらなければならないと改めて思わされました」

─ 7月からは観客が5,000人という環境での登板となりました。無観客のスタジアムで投げるのとは、気持ちに違いはありますか?

「やはりお客さんがスタンドにいることで気持ちは全然違いました。相手チームがチャンスになると、球場の雰囲気も全く変わってきたので、これからどんどんお客さんが入ってきたら、もっとすごい雰囲気になるんだろうなという思いで投げていました。早く満員のスタジアムの中で投げてみたいとも感じました」

─ 開幕から公式戦登板を数試合経験して、改めて投球の中で大事にしていることはどんなことでしょうか?

「いつも『攻めていく』という気持ちが一番大事だと思っているので、逃げずに自分の球をしっかり投げるということを意識しています」

─ プロの打者を相手に登板を重ねていますが、日に日に自信は深まっていますか? またその中で手応えを感じている球種は何になるでしょうか?

「ストレートをしっかりと投げれば、ファールになったり空振りも取れているので、しっかりと自信を持って投げることができています。ストレートがしっかりしていれば、変化球も有効になってくると感じながら投げています」

─ 現在、自分自身の投球の中で感じている課題はどのような点ですか?

「1点取られてから、2点目、3点目と取られる登板もあるので、1点で抑えられる場面はしっかりと最少失点で抑えるということを意識しなければならないと思っています」