◆ゴールの向こうにサポーターがいてくれたことは、大きなアドバンテージ

 カップ戦ではPKまでもつれた6月8日のルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦で2番手を務めた。意外にも、プロでは初のPKキッカーだったという。

 「でも本当は、最初は3番手に立候補したんです」と東は明かす。

 一人目のジェルマンが相手GKに止められ、逆に相手の一人目は成功。2番手の東もPK失敗となれば、流れが相手に大きく傾く難しい場面だった。

 「あの時は、あまりプレッシャーを感じることなく蹴ることができました。それが良かったんだと思います。自分にとって公式戦でのPKは初めての経験だったので、緊張する感覚があまりなかった。あとは、ゴールの向こうに広島のサポーターのみなさんがいてくれたこと。あれは大きかったです」

 試合後、GKのチョン ミンギ(当時)が『自分の後ろに何万人もの紫のGKがいた』と表現したことでも話題になったが、大声援を送るゴール裏の圧力も、広島の選手たちには大きな後押しになったようだ。

 「あれが相手側のゴールだったら、PKスポットから見た景色の感じ方も、僕の気持ちも違っていたと思います。ホーム側のゴールを選べたこと、そこにサポーターのみなさんがいてくれたことは、僕たちにとってすごく大きなアドバンテージでした」

 2025年11月1日、国立競技場で柏と激突したルヴァン杯決勝で、東俊希は華麗な直接FKで相手を突き放す追加点をあげた。

 「優勝の瞬間を、自分もピッチで体験したい」

 有言実行を果たしたレフティーは、2026シーズンも記憶に残るプレーで魅せてくれるに違いない。

■東俊希(ひがし・しゅんき)
2000年7月28日生、愛媛県出身
サンフレッチェ広島ユースー広島
ポジション:MF