CS地元開催に向け、負けられない戦いが続くカープ。鈴木誠也選手の首位打者争いにも注目が集まる

開幕から140試合目にして、ついにリーグ4連覇の可能性が消滅した。開幕戦こそ昨季の最多勝投手である大瀬良大地を立て、巨人に快勝。零封リレーで順風満帆に見える船出だったが、ジョンソンが体調不良で開幕ローテーションを回避するなど、当初からほころびが少なからず見えていた。

2戦目からの失速は、改めて羅列するまでもなく周知の通りだろう。4月10日に早くも優勝確率0%の文字が踊り、6月18日に首位の座から陥落してからは、ついぞや頂上に登り詰めることはできなかった。

『逆転のカープ』という言葉に代表されるように、リーグ連覇中は驚異的な粘りがチームの特徴になっていた。また首位決戦で確実に2位チームを叩くなど、ここ一番での勝負強さも光っていた。ところが今季はポイントとなる試合で勝ち切れなかった。

もちろん9点差をひっくり返された17年5月の阪神戦や、プロ野球史上初となる3連続本塁打でサヨナラ負けを喫した17年8月のDeNA戦など、リーグ連覇中でも屈辱的な敗戦はあった。ただ今季はそこに大型連敗が加わることで、最後まで流れを引き寄せることができなかった。丸佳浩の移籍や主力選手の離脱は、想像以上にチーム力を落としていた。課題だったチーム防御率はシーズンを通して安定していたとはいえ、投打のバランスという意味では噛み合わなかった。

「投手陣を中心とした守りの野球は緒方監督が就任以来、目標として掲げてきたものです、守りの野球とは負けない野球です。勝つ野球を展開していくためには、得点を奪わなければいけません。実績のある選手の復活、そして3連覇を成し遂げた選手たちの意地に期待したいと思います」

カープOBの大野豊氏も、シーズン中から投打のバランスについて言及していた。数字的には厳しくなったとはいえ、2位に浮上するチャンスまでが消えたわけではない。泣いても笑っても、残りは3試合。いまこそリーグ3連覇を果たした王者の意地を見せるときである。